しごと 農業委員会だより No.272

■がんばっています! No.55
「らく農は楽農 ~楽しく酪農~」
西條 亀美夫さん(木島地区・天神堂)

祖父の代から始まり3代目の西條さん。現在は、奥さんと息子さんの3人で約30頭の乳牛を飼育しています。黒、赤茶、白色の牛がいる牛舎を案内してもらいお話を聞きました。

Q.家業を継ぐきっかけは?
A.昭和57年の木島地区の水害の時に牛舎が浸水し、たくさんの牛が亡くなった。親父が再建したこともあって、迷いなく家業に就くという選択をした。
息子も5・6年前から一緒にやっている。跡を継ぐというから安心している。

Q.1日の仕事内容は?
A.「清掃↓餌やり↓搾乳」を午前6時30分〜と午後5時30分〜の1日2回。正午に餌やり1回。
365日休みなく牛の世話をしている。お産もしているから別の牛舎に子牛もいる。朝作業のあとは畑へ。

Q.餌は何ですか?
A.輸入牧草と、配合飼料。2年前から飼料高騰の影響もあって、自給飼料の生産を考え中。
親の乳はすべて出荷されるから、子牛は市販のミルクを飲んでいる。

Q.搾乳はどのように?
A.全て機械で搾乳する。
1頭のあたりの搾乳量は、1回に約15キログラム、2回なので1日に約30キログラム。朝の搾乳後、タンクローリー車が来て出荷。

Q.気を付けていることは?
A.病気の予防と治療。人口授精や出産の仕事もあるから、牛の健康管理には気を遣うよ。

Q.うれしいことは?
A.一年間の搾乳量の目標を決めていて、それをクリアした時かな。

Q.魅力は?
A.酪農家は酪農関係者だけと仕事をしていると思われがちだけど、堆肥も作っているから、それを使用している他の農家さんと交流ができることが魅力かな。

▽事務局レポート
搾りたての牛乳を沸かしてもらい、ごちそうになりました。こんな機会はないので初めて飲みましたが、甘くて、想像していたよりも飲みやすく、とても美味しかったです。西條家の皆さんは毎日飲んでいるそうです。
よい生乳を作るためには、牛の健康管理が大切だと感じました。他にもたくさん質問をしましたが、西條さんはにこにこと教えてくれました。

■あぜ道だより
岡山地区農業委員 廣川順一

昨年の8月より新しく農業委員を務めさせていただいております。前任者からは「大変なことは無いよ」と言われましたが、農業に従事していない者にとっては難しい仕事だと改めて感じています。農業委員会法、農地法また農地の売買、賃借、転用等、言葉の意味を理解しなければならず、自分の無知を痛感しているところです。
私は、現在も未だ会社勤めをしながら、農業も自家用の水田一反三畝と畑三畝程度をやっているだけです。採算を考えれば買った方がはるかに経済的ではあるのですが、親戚や知人に送れば「一番良い米を買って食べたことがあるが、飯山の米の方が美味しい」と言われ、身体の続く限り頑張らなければと思っています。また孫にはスイカ、トウモロコシ等「お願いします。」と言われ、栽培の経験も無く、人に聞いたりネットで調べたりしながら何とか期待に応えようと奮闘しています。
しかしながら、年には勝てず、あと何年できるかと思うと不安ばかりです。
日本全国各地で農業の後継者不足により、10年後には米を作る人がいなくなるとも言われていますが、この岡山地区は少子高齢化が顕著で、中山間地ということもあり、荒廃地が増えるばかりで、農業だけで生活していくには厳しい状況だと思います。(全国的に言えることではあるようですが…)私も先祖から引き継いだ土地を何とか荒らさないようにするのが精一杯の状態です。
「ずく」を惜しまず、遊休農地の解消も考えてはいるのですが、皆さんも身体の動かせるうちは、農地を守っていっていただければ、と思っているこの頃です。

■新規就農者の情報交換会を開催しました!
3月14日、就農して10年以内の農業者の交流の場として「新規就農者情報交換会」が開催され、9名の就農者による情報交換会が行われました。
第一部は、長谷川戦略マーケティング研究所長による「付加価値アップを目指す6次産業化事例」と題しての講演をいただき、講師として、株式会社ねんりん代表取締役宮下祥次氏から、6次化への取り組みと今日に至るまでの紆余曲折を交えた貴重な体験談をお聞かせいただきました。
参加された就農者は個々の経営内容は違っても、農業経営という目標を共有する中では貴重な講演内容であったのではないでしょうか。
講演会終了後、引き続き講師を交えて懇親会が開催されました。
それぞれに悩みを抱えながらも、互いに相談し、時には協力し合いながら営農活動を行い、個人と言う『点』から仲間づくりとしての『線』を結ぶ取り組みが着実に進んでいると感じました。
今回は9名の参加者ではありましたが、まだまだ多くの就農者が飯山市で活躍されていることにとても頼もしく感じました。
一方で、統計調査によると、飯山市において今後新規就農者がいない場合、10年後には専業農家の平均年齢が80歳を超えると推定されています。
故に、この地域で農業を営み、農業で生活の活路を見出そうとしている新規就農者や農業従事者が「農業を経営として継続できる仕組み」を、それぞれの立場で知恵を出しながら作り上げていくことが必要と感じた懇談会となりました。

■あしあと 3・4月の活動記録
▽3月
7日 農地相談・農業委員会役員会
10日 県農業委員会女性協議会研修会
27日 3月農業委員会総会・情報委員会

▽4月
10日 農業委員会役員会
28日 4月農業委員会総会・学習会

問合せ:飯山市農業委員会
【電話】0269-67-0729(直通)【FAX】0269-62-6221(2階代表)