くらし 心の眼(195)

■地区学習会に思う事
人権同和教育指導委員 赤堀 峰晴(あかほり みねはる)

私たちの身近な浅間山を思い浮かべてください。北御牧から見ると左右を岩肌に囲まれ、中央に少し尖って見えます。佐久平から見ると、尾根が平らな台形。軽井沢からは柔らかく少し丸みがある。一方裏側に周って群馬嬬恋からは、冬は鈍くいぶし銀の色で全く姿が違います。でも良く知っている浅間山です。上空から見れば大きな火口のある山ですが、麓から見ているのは外輪山の前掛山です。この様に一つのものでも、見方によって様々に見えて、それぞれの印象も違ってきますが、関心を持って見たとしても、興味がなければ気にならないかもしれません。
この浅間山のことのように、私たちは関心のないことには興味がわきません。今、世界中で宗教や人種、領土などが原因で起きている戦争や紛争も、大切な命が奪われているにも関わらず、他人事として生活してはいないでしょうか。
私たち人権同和教育指導委員は、各区で身近にある色々な場面での人権を取り上げて、一緒に学習を進めています。私は、女性をいたわる気持ちで「女性の方は、自分の両親と配偶者の両親の介護もあるかもしれないので大変ですね」と話した後の感想で、「男性的な思考が強く少し古い考えのように感じる」とありました。自分の考えとは違って受け止められてしまったのかと、伝えることの難しさを感じました。
学習会では、全ての差別の根源である同和問題についてもっとお話したいのですが、最近は、インターネットやいじめなどの陰湿な差別、偏見、中傷があふれているため、正しい知識や判断について学んでいます。一方的な話だけでなく、意見交換もやりたいのですが、現状では中々本音の話し合いが出来ないのも歯痒いところです。
普段あまり学習の機会が取れない人権学習ですので、こうした機会に参加され、子どもたちも学んでいる最新の情報を知っていただき、昔の知識の上書きをしてみませんか。お互いの考えを尊重し、自分の考えをまとめてみる、そんな時間を持ってみませんか。優しい心で寄り添ってみませんか。近くで学習会が開催されるときには、時間を作って出かけてください。