くらし 〈特集〉村での時間が教えてくれたこと 地域おこし協力隊7名が退任(1)

令和5年に着任した地域おこし協力隊員7名が3月、任期を終えて退任します。村の暮らしの中で感じたこと、それぞれのミッションに向き合う中で思ったこと、将来に思い描く地域の姿などを語ってもらいました。

■伊良原 裕子 隊員[地域福祉の推進]
この夏は八ヶ岳縦走にチャレンジした。野菜づくりや地域の方との交流など、移住前にやりたかったことも全て体験することができ皆さんに感謝。退任後も原村を軸に活動予定。

■岡本 康利 隊員[地域スポーツ振興]
趣味は畑仕事と陶芸。原村で農作物づくりと器づくりを始める夢の第一歩を踏み出した。退任後は村を離れるが、自給自足の暮らしを目指し挑戦を続けていく。

■小泉 肇 隊員[移住・定住の促進]
登山大好き、スキー大好き。原村に移住してきて大正解!充実のお裾分け野菜生活を堪能中。退任後は村内菖蒲沢地区の古民家を活用したゲストハウスを開業予定。

■熊田 洋子 隊員[結婚活動支援]
原村に移住して、自分時間が増えたことで、趣味のゴルフを大満喫♪冬のキーンとした原村の寒さ、静けさが大好き。退任後も原村で暮らす予定。

■平林 壮太 隊員[八ヶ岳美術館の魅力発信、企画運営]
東京湾で海苔養殖をしていた父方の先祖が諏訪出身ではないかとにらみ、休日に調査中。退任後は東京の大学院に進学し、美術や博物館について学びを深める。

■西 由美 隊員[ふるさと納税の返礼品発掘]
時間ができたら散歩をするのが趣味。この秋は例年より紅葉を楽しんだ。鮮やかな色だけでなく、茶や灰色などの渋い美しさにも惹かれた。退任後は、着物の趣味を復活させたい。

■鈴木 若菜 隊員[滞在型観光の推進]
怖かった車の運転も克服!3年間の中で、たくさんの“はじめて”にチャレンジできた!関わってくださるみなさまに感謝!退任後は村内の福祉・観光分野で活動予定。

■近所がつながり、世代がつながる。
[伊良原裕子隊員×岡本康利隊員]

◯交流の機会が大切
岡本:子どもたちの放課後の居場所として「プレイす」という場を設けて、主に屋外ではモルック、室内ではボッチャを行ってきました。初めは少人数でしたが、次第に多くの子たちが参加してくれるようになりました。
伊良原:私は、昨年5月に大久保地区の古民家で「みんなのつどい」を開催しました。普段近所に住んでいてもなかなか行き会わない人や、コロナ禍で交流が途絶えたりしていた人とも会える機会になりました。集まった方々が「久しぶり」「元気だった?」と声を掛け合う様子が嬉しかったです。
岡本:社協さんを通じて、高齢者や障がい者の皆さんと一緒にボッチャをやった時も、同じように喜んでいただけましたね。子どもたちがお年寄りに優しく教える様子、また車いすの方が投げるところを真剣に見つめる表情に、こちらが感動しました。

◎地域の多世代が気軽に交流できる場として「大久保みんなのつどい」を開催。料理を持ち寄ったり一緒に作ったりして、お茶を飲みながらみんなで楽しいひとときを過ごした。

◯かつての村を忘れずに
伊良原:原村郷土館等に収蔵されている昔の民具を前に、思い出や昔話をしていただくという企画では、「薪を拾いに柴刈りに行った」とか「凍った田んぼを下駄スケートで滑った」とか「ドラム缶の風呂を沸かして近所の皆で借りながら入った」など、私には驚くような話ばかりでしたが、お年寄りの方々は皆とても懐かしそうに話してくれ、その表情が印象的でした。
岡本:村では以前に「森林浴マラソン」が行われて、1、000人規模の参加があったそうです。スポーツクラブの皆さんから「復活させたい」という声が上がり、その第一歩として昨年「森林浴のゆるラン」を行いました。現在40代くらいの方々にとっては自身が中学生のころに走った記憶が残っているのだと思います。そうした皆さんの力で、スポーツによる活気もますます続くと良いですね。

◎子どもたちの居場所でもある「プレイす」。モルックもボッチャもルールは難しくないが、子どもたちは自分たちで戦略を練って、「どうやったら勝てるか」と考えるようになる。

◯地域の輪 人の輪
伊良原:私も岡本さんも住んでいるやつがね区では毎年夏祭りがあって、カラオケ大会が開かれたり、花火が打ち上げられたりします。地区の子どもからお年寄りが皆で集まって親睦を深めるというのは都市で暮らしていた頃にはまったくなくて、とても素敵だなと思いながら参加させていただいています。
岡本:付き合う方々がみな温かいですよね。この地は冬寒いですが、その寒さを乗り越えるためにも人の心が温かいのではないかと感じています。
伊良原:人や地域との「つながり」を感じた3年間でした。ただし高齢になって車が運転できず出かけられないとか、うまく社会や職場に溶け込めないなど「つながり」が難しい人たちもいます。そういう方たちもいかにつながりを持てるかが、これから一層大切になってくると思います。