くらし 令和七年度 上松町功労者表彰式

今年度は、二名の方と一団体が功労表彰を受賞、一団体に感謝状が贈呈されました。
今回表彰を受けられた皆様の功績について、ご紹介します。

■功労表彰(地方自治振興功労)
▽前上松町長 大屋誠氏
氏は、平成二十九年四月から令和七年四月までの二期八年に亘り町長の任期を全うされました。
在任中は、長年の懸案事項でありました役場新庁舎建設事業を推進し、吉野地区小水力発電や田代地区定住促進住宅の整備、才児牧場養豚場新設への支援など、産業振興と快適で安心して暮らせる福祉のまちづくりに全力で傾注し、過疎地域の振興と地方自治の振興に貢献しました。また、令和三年八月の豪雨災害では、宮戸沢の土石流により断水した世帯に毎日給水タンクを配布し、BandGプールのシャワーを風呂の代替えに開放するなど、被災者に寄り添いながら支援を行いました。新型コロナウイルス感染対策では、落ち着いた行動と互いに思いやる気持ちを町民に訴え、多くの医療関係者に協力を仰ぎながら精力的にワクチン接種を行い、未曾有の困難に立ち向かいました。
氏は、温厚篤実で行動力に富み、卓越した識見と判断力により町政発展のために残した数々の足跡は他の模範であります。

■功労表彰(文化の向上)
▽第六十三回伊勢神宮御杣始祭杣頭 橋本光男氏
氏は、二〇代前半から木曽の営林署に勤務し、長く林業に携わって来られ、三十二歳の時に初めて御杣始祭に参加しました。五十二歳で迎えた前回の御杣始祭は三ツ紐伐り保存会の一員として参加し、伝統の技法を受け継いで来ました。そして三回目となる今回は杣夫の代表である杣頭としてその重責を担いました。御杣始祭当日、降りしきる雨の中赤沢の深い森に杣の打つ斧の音だけが響き、伐採開始から約一時間後「大山の神左斧横山一本寝るぞいよいよ寝るぞ」の掛け声と共に、最後の斧が入れられ御神木がゆっくりと、そして伐倒位置へ正確に伐り倒されました。
氏の持つ知識や技能の積み重ねによる物事を多角的に捉え予測する力、また十分な経験に裏打ちされた直感的な洞察力は三ツ紐伐り保存会の組織力を引き上げ、二〇年後の御杣始祭へ繋ぐために杣の技術を他の杣夫へ指導された功績は誠に顕著であります。

■功労表彰(文化の向上)
▽三ツ紐伐り保存会
三ツ紐伐り保存会は、二〇年に一度行われる伊勢神宮御杣始祭で御用材の伐倒を目的とし、斧で伐木をする技術を伝承するために平成十六年十二月に発足されました。現在は二〇代から八〇代までの木曽の林業関係者をはじめ二十七名が所属し、古式の三ツ紐伐りを後世に伝えるために日々技術の習得に習練しております。
本年六月三日に行われた第六十三回伊勢神宮御杣始祭において、杣夫達が約千三百年続く伐木技術を披露し、推定樹齢三百年の御神木を無事伐倒させました。雨が降る中、斧一振り一振りに感謝を込める姿は、見る者に感動を与え、ひのきの里上松町の魅力向上にも大きく寄与された功績は誠に顕著であります。

■感謝状
▽伊勢神宮御神木祭木曽奉賛会
伊勢神宮御神木祭木曽奉賛会は、千三百年の歴史継承が行われている伊勢神宮式年遷宮行事に際し、御杣始祭をはじめ、御神木祭、木曽郡の芸能祭など、多くの行事の企画運営の主軸として、木曽ひのきの価値の向上、上松町をはじめ木曽郡の伝統文化の紹介など、木曽の存在を全国的にPRし、もって木曽郡の活性化に大きく貢献されました。
また、二〇年に一度の大行事となりましたが、滞りなく無事、盛大のなか大成功で納めていただきました。
会の活動に心から感謝申し上げ、ここに感謝状を贈呈し感謝の意を表します。