くらし 大人な苦みを味わう 百草スイーツ特集(1)

木曽で昔から服用されている、自然由来の生薬からできた「百草丸」。その百草丸に使用されているキハダの樹皮ではなく果実を活用し、そこにさらに信州に馴染み深い延命草と木曽ヒノキの食用オイルも加えることで百草ソースが完成。それを各店舗がオリジナルスイーツにアレンジすることで、ほんのり苦くも美味しいスイーツが誕生しました。
※百草スイーツと百草丸は全く異なる製品です。またスイーツに薬効はありません。

◆百草スイーツ誕生のきっかけ
(1)始まりは高校生との会話から
「百草丸を知らないという高校生がいてびっくりしたんですよね」と、百草スイーツの企画・プロデュースを務める山下卓郎(やましたたくろう)さん。山下さんはお仕事でデザインなどをされており、そのご縁で以前、木曽青峰高校インテリア科デザインコースで外部講師として授業をしていました。その際生徒に百草丸の話をしたところ「知らない」と答えた生徒が数名おり、とても驚いたそうです。それと同時に「百草丸や薬草・野草の文化は木曽の宝だから、それをどうにか残していかないといけないのでは」と感じていました。

(2)百草文化を伝えていくために
山下さんは、若い人にも興味を持ってもらえるよう百草丸をモチーフにした苦いスイーツを企画。高校での体験談と共に、道の駅日義木曽駒高原の社長、海老澤 将(えびさわ しょう)さんに話しました。海老澤さんもこの話を重く受け止め、「木曽の伝統を若い世代に広めると同時に、木曽郡全体の観光活性化に繋げられないか」と考えたそうです。現在、海老澤さんは百草スイーツ振興会の会長も務め、スイーツの提供店を木曽全体に展開することで伝統・文化の継承と地域活性化につながる様々な活動を展開しています。

(3)商品化に向け百草ソースを製造
スイーツを提供するときにかける“百草ソース”の製造という話が1番最初に舞い込んだのは「茶房松島」でした。茶房松島の松澤さん夫妻は、企画を聞いた当時「苦くて、黒くて、粘性があるソースを作って…って、どうやって作るんだろう」と戸惑ったそうです。何度も試行錯誤を重ねることで、柑橘系のキハダの実が持つ爽やかな香りと延命草の苦味がおいしい、自然豊かな木曽の風土を感じられるソースができあがったそうですが、「毎回試食するたびにすごい苦くて大変だった」と夫婦そろって笑ってお話ししてくださいました。