- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県白馬村
- 広報紙名 : 広報はくば 2025年9月号 Vol.588
長い間、皆さまに親しまれてきた子育て支援ルーム(旧中部保育園)は、今年で50周年を迎えます。この節目の年、施設の老朽化に伴い、令和7年9月末をもって解体し、同じ場所に新たな施設を建設することとなりました。
多くの子どもたちの成長を見守り、たくさんの思い出を育んできたこの建物とのお別れは、大きな寂しさを伴います。
子育て支援ルームは、白馬村の子育ての拠点として、「どんな些細なことでも一人で抱え込まずに相談してほしい。」「元気な笑顔とハッピーな子育てへつながってほしい。」そんな願いを込めて運営してきました。
この想いは、新しく生まれ変わる施設にも引き継ぎ、これからも皆さまに愛される場を目指してまいります。
現在の子育て支援ルームは、令和7年9月28日(日曜日)をもちまして閉所します。これまで多くの方にご利用いただき、誠にありがとうございました。
閉所後は「白馬村保健福祉ふれあいセンター」内に移転し、引き続き子育て支援ルームとして活動を続けます。新しい場所でも、皆さまの笑顔にお会いできることを楽しみにしています。
令和7年9月27日(土曜日)は、今まで慣れ親しんだ施設へのありがとうセレモニーを行う予定です。皆さま、ぜひお出かけください。
時間:13時から15時30分まで
◆子育て支援ルーム変遷
昭和49年
・中部保育園建設
昭和50年4月
・中部保育園開設
平成12年6月
・ホールの南側に国の「少子化対策臨時特例交付金」を活用して、子育て支援ルームを増築
・中部保育園内で子育て支援ルーム開設
平成19年4月
・しろうま保育園が新しく建設された事により白馬村中部保育園と白馬村北部保育園が統合
・後利用として、白馬村子育て支援ルーム再開設
令和7年10月
・子育て支援施設建設の為、白馬村保健福祉ふれあいセンター内へ移転
◆見つめ 笑いあう子育てに ~白馬村子育て支援ルーム解体に寄せて~
元子育て支援ルーム長 田中あつみ
半世紀にわたり白馬村の保育を支えてきた「白馬村子育て支援ルーム」が、このたび解体されます。関わった者の一員として、この建物と過ごした思い出を振り返りたいと思います。
この建物は、かつて「中部保育園」として中部地区(平川から松川)の園児を受け入れ、昭和50年4月に新築されました。私は開設と同時に保母(現・保育士)として勤務を始めました。当時はスキーブームの影響で、ペンションやロッジが次々に建ち、新しい家族の転入が増加。定員超過のため玄関横に保育室を増築して対応しました。
平成12年6月には、国の臨時特例交付金によりホール南側に「子育て支援ルーム」を増築・開設。お母さん方が子どもを連れて気軽に遊びに来られる環境を整えました。同じ年齢の子を持つ母親同士が集まり、子育てや日常の情報を交換しながら交流できる場として、悩みを一人で抱え込まずに子育てできる場所となりました。当時は今ほど未満児保育が行われていなかったため、お母さんたちは、赤ちゃんや未就園児と一緒に遊び、語らいながら、子どもたちの成長を互いに喜び合っていました。
平成19年4月、少子化の影響により、村内3園が統合され「しろうま保育園」となり、この建物は「白馬村子育て支援ルーム」として運営を開始。責任者として、働くお母さん方の力になれるよう、乳幼児から受け入れ、育児や子育ての不安を少しでも軽くできるよう心がけてきました。悩みを打ち明けてくれたお母さんの、その後の元気な姿や笑顔を見るたび、温かな気持ちになったことを覚えています。子育て支援とは、親を支えることでもあると強く感じた瞬間でした。長年にわたり温かいご理解とご協力をくださった皆さまに心より感謝申し上げます。
月日は流れ、ここで育った子どもたちは今や村を支える世代となりました。3年後に完成する新しい「子育て支援ルーム」が、この自然豊かな環境で、多くの子どもたちと保護者が笑顔で集い、成長を見守る場所となることを願っています。