くらし 「輝く恵那人」250人目

■目立ちたがり屋、大歓迎 市が誇る恵那トビはしご登りを未来に
威勢の良いかけ声と共に妙技が繰り出され、大きな歓声が起こる。昭和57年、石川県金沢市の「加賀鳶(とび)」の指導を受け発足した「恵那トビはしご登り隊」。現在隊長を務める小坂太一さんは、県内有数のトビはしごの伝統を未来につなぐだけでなく、最盛期の勢いを取り戻すべく、日々尽力している。
小坂さんは、自動車ディーラーで働く傍ら、29歳で市消防団岩村分団に加入。その後、町内の祭りでトビはしごの迫力ある演技に魅了され、31歳で同隊に入隊した。初めは高さや痛みに苦戦したが、週3回の練習を重ね、技を身に付けた。「トビはしごは技と動きの順番を間違えなければ落ちることはない。練習を重ね、本番は焦らないことが大切」と笑顔を見せる。
隊員不足の問題に直面する同隊最盛期は15人の隊員が10基の登り手の座を争っていたが、現在隊員は8人に減少。昨年の出初め式では5基と規模が半減してしまった。「昔の活気を取り戻したい」と意気込む小坂さんは、市消防本部と今後のあり方について協議を重ねた。令和7年4月、小坂さんは隊長に就任。恵那トビはしご登り隊は独立し、消防団活動に縛られず、トビはしごだけに専念できる体制が新たに整った。
現在はトビはしごの広報に注力する小坂さん。「同隊に所属して、さまざまな年齢や地域の方と関わることができた。地上6メートルからの景色や、悲鳴にも似た大きな歓声を浴びる瞬間は、他では味わえない特別な体験」と魅力を語る。
1月10日(土)には「恵那市消防出初式」が開催され、同隊は「玉つぶし」などの他、市独自の大技を披露する。小坂さんは「トビはしごに挑戦したいと思ってもらえたらうれしい。消防団活動の制限がなくなった今、気軽にお試しでもトビはしごに参加してほしい」と話す。当日は、新衣装を身にまとい、火消しの技で恵那の空を舞う。

◆小坂太(たいち)さん(43歳)(岩村町)
□プロフィル
令和7年4月、恵那トビはしご登り隊の隊長に就任。同隊に所属するまではボルダリングに週3回通っており、「体を動かすこと、上に登ることが好き」と目を輝かす。現在は3児の父親として、5歳児、3歳児、1歳児の子育てに忙しい毎日を送る。