文化 未来に繋(つな)ぐ みのかもの70年 第19回

■「ドリームコンサート」始まる 音楽をより身近に
1999(平成11)年、文化会館を拠点に音楽活動をする市民が、「ステージとは違う市民の手の届くところで演奏を聴けるミニコンサートを」という願いで「みのかも夢見工房」を立ち上げます。そしてその年の12月に、無料の「ドリームコンサート」を開催しました。出演は美濃加茂市内のミュージックベルグループの「マザーズ」。会場となった美濃加茂市文化会館(現在の愛称:かも~る)のロビー(ホワイエ)には約200人が詰めかけ、澄んだベルの音色が奏でるクリスマスソングに聴き入っていました。その後もこのドリームコンサートは、毎月第2金曜日の夜に定期的に開催されており、今月で269回を数えます。
文化会館は1980(昭和55)年11月に市民芸術文化の拠点としてオープンし、音楽、演劇などの主催事業とともに、市民の文化創作活動の発表の場としても利用されています。
坪内逍遙(つぼうちしょうよう)が生まれたまちとして、彼が理想として考えていた言葉「世界はすべて劇場である」を、文化会館はコンセプトに掲げています。それを踏まえ、2006(平成18)年には目指す方向性を次のように定めました。
(1)上質な音楽と文化を広く市民に
(2)音楽と文化をまちじゅうに
(3)音楽と文化は人と街を生き生きと
いずれも、普段の暮らしに音楽が自然と溶け込み、文化的なまちづくりの実現につながるものです。同年7月からは「まちかどライブ」として、みのかも文化の森のほか、山之上、伊深、三和の各所や市役所などの身近な場所でミニコンサートが開催されました。中でも市役所のライブ演奏は、2010年10月に、昼休みの1階玄関ロビーが会場となり、バイオリン、ピアノ、チェロによるショパンの「ノクターン」が奏でられました。市役所を訪れた市民なども足を止め、優雅なひとときを過ごしました。

◆[Pick Up]坪内逍遙「世界はすべて劇場である」
1928(昭和3)年、坪内逍遙の古希と『シェークスピア全集』40巻の完成を記念して、早稲田大学に演劇博物館ができました。逍遙は玄関の正面に、シェークスピア時代の地球座の看板のラテン語の格言「Totus Mundus Agit Histrionem(世界はすべて劇場なり)」の文字を掲げさせました(早稲田大学百年史)。
美濃加茂市では2006年頃から、みのかもの偉人・坪内逍遙の言葉を一つの理念とし、市内で多くの文化活動を展開しています。

問合せ:みのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアム
【電話】28-1110