くらし 地域の備え 共助の力

近年、日本各地で頻発する自然災害は、平穏な日常をいともたやすく奪い去ります。行政の支援、いわゆる「公助」は不可欠ですが、大規模災害時には限界があるのも事実です。だからこそ、今、私たち一人ひとりが力をあわせた「共助」の力が、何よりも大切になります。顔見知りの隣人の温かい支え合い、地域全体で困難を乗り越える強さ。この特集では、地域防災における共助の重要性を掘り下げるとともに、白川町で活躍する防災アドバイザーの活動、そして防災訓練に取り組まれた方へのインタビューを通して、その熱い想いに迫ります。

■防災アドバイザーって?
地震や豪雨などの災害から地域住民の命を守り、被害を軽減するために、専門的な知識と経験に基づき、災害への備えや発生時の対応についてアドバイスや指導を行います。
自治会や自主防災組織などに対し、ともに学び、何をすべきかを支援する役割を担っています。

■防災アドバイザーによる出前講座
令和7年5月1日(木)に黒川小学校で避難訓練が行われました。訓練には、防災アドバイザーの鈴村真人さんも参加し、火災が起きた際の安全な避難の仕方について指導されました。
また、保護者による児童の引き渡し訓練も行われました。
お…おさない
か…かけない
し…しゃべらない
も…もどらない
ち…ちかづかない

■地域の絆を深め、防災意識を高める! 白川口自治協議会の「防災運動会」
令和6年度 白川口自治協議会長 今井 清美さん
白川口自治協議会は、コロナ禍で途絶えていた地域の運動会を復活させ、同時に防災意識も高めたいという思いから双方を合わせた「防災運動会」を企画・開催しました。防災アドバイザーの協力を得て、皆が楽しみながら繰り返し参加できる運動会を目指しました。
自分自身もこの運動会を通して、地域のつながりが深まり、防災への意識が向上したと実感しています。
日々の生活の中にも防災に通じるものが多くあります。他人任せにせず、できることから積極的に取り組み、防災アドバイザーとともに地域の防災力を高めていきたいです。

■みんなで築く 笑顔なくらし 「命」ともに守ろう地域防災
白川町防災アドバイザー 鈴村 真人さん
私は長年、可茂消防で地域の安全を守ってきました。定年退職を迎える時に、白川町が「自助共助の意識を高め、地域に根差した実践的な防災活動を推進する人材を求めている」という話を聞き、その一翼を担いたいと思い、防災アドバイザーの職に就きました。
私が皆さんに一番伝えたいのは、「防災とは、何よりも大切な皆さんの命を守る」ということです。もちろん、大規模な訓練も重要ですが、本当に皆さんの役に立つのは、普段の生活の中で防災を意識し、それを習慣にすることだと考えています。近所の方と挨拶を交わしたり、家の中を常に整理整頓するなど、できることから少しずつ始めてほしいと思います。
私が皆さんと活動する上で大切にしているのは、「皆さんの負担にならないように、他の行事と合わせて訓練をすること」、そして「皆さん自身が、何か一つでも実際に体験することで、いざという時に動けるようになること」です。
白川町には、防災に関する補助金制度もあります。ぜひこの制度を活用して、一人でも多くの方に防災への意識を持っていただけたら嬉しいです。

防災アドバイザーによる出前講座の申請や自主防災活動の補助金についての詳細は、本紙右記二次元コードからご確認ください。