- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県御嵩町
- 広報紙名 : 広報紙「ほっとみたけ」 2025年12月号
今回は御嵩町で発見された隠れキリシタン関連品について紹介します。
■隠れキリシタンとは
隠れキリシタンとは、人目につかないようにキリスト教を信仰した人々です。なぜ人目を避けるのかというと、当時の権力者によってキリスト教は信仰することが禁止されていたからです。日本におけるキリスト教は天文18年(1549)に長崎に伝えられてから、さまざまな場所に広がっていきましたが、天正15年(1587)に豊臣秀吉によって初の禁教令が出されました。徳川幕府が成立した後も禁教令が出され、次第に厳しい内容になっていったため、キリスト教を信仰していた人々は信仰を仏教などに変えるか、隠れて信仰するかを選ばなければ処罰を受けることになりました。
■御嵩町で見つかった隠れキリシタン関連品の紹介
昭和56年に御嵩町謡坂(うとうざか)の「七御前(ななごぜん)」という、五輪塔(ごりんとう)などが複数ある場所から十字架が刻まれた石3点が見つかり、御嵩町にも隠れキリシタンが存在したことが判明しました。この発見を発端として御嵩町内で似たようなものがないか捜索・募集したところ、複数の物品が集まりました。これらの大部分は現在中山道みたけ館に展示しています。
十字架が刻まれた石3点については、昭和56年に謡坂の道路拡幅工事の際、地下約30cmから見つかりました。それぞれの特徴を紹介します。
(1)長さ約36cm、幅約19cmで厚さ約8.2cmの黒く平らな石で、縦11cm、横6cmほどの十字架が彫られており、十字架の上部は丸く人の頭のようにも見えます。その丸い部分を囲む輪も彫られています。下部には複数の直線を組み合わせたものが彫られており、文字とも記号とも思われますが、詳細は不明です。
(2)長さ約23・4cm、幅約10・9cmで厚さ約3.7cmの平らな自然石で、中央に縦7.5cm、横3cmほどの十字架が彫られており、その下部の左右に縦3cmほどの小さな十字架が一つずつあります。
(3)一辺約20cm、厚さ約9cmのひし形になっている黒い石で、一部が欠けており完全なひし形ではなくなっています。中央部に直径約5cm、深さ約3cmのくぼみがあり、その上部に縦約5cmの十字架があります。
御嵩町では今回紹介したものの他にも隠れキリシタン関連品が見つかっており、次回紹介したいと思います。これらの物に少しでも興味がおありでしたら、ぜひとも実物を見に中山道みたけ館へお越しください。
※詳細は本紙をご覧ください
問い合わせ:生涯学習課 文化振興係 担当…勝川(かつかわ)
【電話】67-7500(中山道みたけ館)
