- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県沼津市
- 広報紙名 : 広報ぬまづ 2026年2月1日号
■リノベーションまちづくり
私たちの身のまわりには、かつて多くの人でにぎわった空きビルや空き店舗が残っています。
近年、全国各地では、そうした建物の魅力に改めて目を向け、今の暮らしに合った使い方を見つける動きが広がっています。
沼津でも、長く使われてきた建物を活かしたお店や、人が自然と集まる場が少しずつ増え、まちの雰囲気がゆっくりと変化し始めています。
今回の特集では、沼津で進むリノベーションまちづくりについて紹介します。まちの動きを知ることで、何気ないまちの景色がいつもより面白く見えるかもしれません。あなたも沼津のまちをもっと楽しんでみませんか。
○リノベーションは意外と身近
リノベーションとは、今あるものの良さを活かしながら、新しい使い方で価値を生み出すことです。使い方を変えずに元の姿に近づけるリフォームとは異なり、建物の役割そのものを大胆に変えることが特徴です。
そしてこの考え方を空き家や空き店舗などの建物から、公共空間など地域に眠る資源へ広げ、まち全体の魅力向上につなげていくのが「リノベーションまちづくり」です。費用面の負担が少なく、事業化へのスピードが速いという特徴もあって、近年全国で注目され、広がりを見せています。
未活用だった建物や空間が新しいお店や人が集う場所にリノベーションされ、まちに新たな楽しみや出会いが生まれたり、市内外から人が訪れたりすることで、エリアの価値が高まっていきます。
沼津でも、熱い思いを持った多くの担い手が様々な活動を行ってきたことで、まちが少しずつ変わってきました。
例えば沼津新仲見世商店街では、建物のリノベーションに加え、老朽化したアーケードの撤去により、人が集まる心地良い空間が創出されています。また、中央公園では定期マーケット「週末の沼津」が開催され、人が行き交い交流する風景が生み出されました。
合同会社REIVERの鈴木さんは、まちなか居住促進事業やOPEN NUMAZUの企画・運営など、沼津のまちづくりに関わり、沼津の魅力を引き出してきました。自身も戸田で、廃業した旅館をホステルとして再生したり、空き店舗をコーヒー焙煎所(ばいせんじょ)に再生したりしています。
自分たちが住んでいるのは、まちと自然、両方を感じられる素晴らしい地域であることを、もっと誇っても良いと話す鈴木さん。
リノベーションまちづくりの魅力を伺うと「建物や場所の歴史をひも解き、新しい形にすることで、それが結果的にまちの盛り上げにつながっていることですかね。使われなくなっていた場所が、新しい出会いや挑戦の始まりの場として生まれ変わる未来を、みんなで一緒に育てていきたいです」と話してくれました。
リノベーション先まとめ動画配信中(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)
○沼津にはまだまだ面白いことがいっぱい
沼津市のリノベーションまちづくりは平成27年にスタートし、リノベーションスクールや講演会、DIYワークショップなど様々な取組を通じて、誰もが帰ってきたくなる、人に自慢したくなるまちを目指してきました。
その歩みの中で見えてきたのは、まちを動かしているのはそこに関わる人たちの存在だということです。個々に活動する担い手や市民が気軽に参加できる場が増えるにつれ人と人のつながりが生まれ、新たな挑戦に結びついています。
昨年度、新たなステップとして「企業版リノベーションスクール@沼津」が始まりました。沼津をもっと面白くしたいという企業の人たちが集まって、先行事例を学び、意見を交わしながら自社のプロジェクトを磨き上げます。
初年度は9社が参加し、高校生に自習室を提供する事業や、遊休社宅を社内外の人が交流できる場にする企画が生まれました。今年度は11社が参加し、地域コミュニティスペースの立ち上げなどについて話し合っています。
昨年度は参加企業として、今年度はアドバイザーとして携わる株式会社大志建設の杉澤さんは「みんな自由な発想でやっていますが、回数を重ねるごとに意識や考えがポジティブになっていくんです。それも参加者の熱い思いと行政の支えがあってこそですね」と話します。
杉澤さんによると、継続して関われることもリノベーションまちづくりの魅力だとのこと。「沼津は好きなことを行動に移す人が多いから、自然と魅力のあるまちづくりにつながっているんでしょうね。私はそういう人をサポートしていきたいんです。そうすれば沼津はもっと良くなると思うから」とも話してくれました。
場所を再生するだけでなく、まちを変えていける人を見つけられるのもこの取組の面白さ。企業版リノベーションスクールで業種や立場の異なる人たちが自社の取組を語り合う姿からは、まちへの愛を感じられました。「人によるまちづくり」が、新たな出会いと挑戦を生み出し続けています。
企業版リノベーションスクールの詳細はこちら(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)
