くらし 【特集】沼津の海岸を楽しみながら守る(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県沼津市
- 広報紙名 : 広報ぬまづ 2025年6月1日号
■沼津の豊かな海岸
自然に恵まれたまち、沼津。なかでも駿河湾に面した約64キロメートルの海岸線は、長いだけでなく地形的な変化に富み、多様な動植物を育む自然の宝庫でもあります。
駿河湾に突き出す大瀬崎は、砂さし嘴と呼ばれる特徴的な地形で、国の天然記念物に指定されているビャクシン樹林のほか、これからの季節には「市の花」はまゆうが海岸で白く繊細な花を咲かせます。
ほかにも、市内の海岸ではカモメやイソヒヨドリなどの鳥類、タマキビガイやイワガニなどの生物を見ることができます。
また、白砂青松が広がる千本浜海岸や牛臥・島郷海岸は古くから景勝地として知られ、美しい景観が多くの文人墨客を惹(ひ)きつけてきました。
今でも海岸は、季節や時間ごとに変化する風景が私たちの目を楽しませるだけでなく、散策やレジャーの場としても多くの人に親しまれています。
沼津の宝といえる海岸ですが、自治会やボランティアの皆さんの尽力によって美しく保たれていることは、残念ながらあまり知られていません。
6月は環境月間、そして7月は海岸愛護月間です。美しい海岸を未来に引き継いでいくために、一人ひとりができることについて考えてみませんか。
■「気軽にちょっと」を続けて
沼津の海岸を未来へとつなぐため、海岸清掃を続けている人たちがいます。
牛臥海岸でごみ拾いを続ける「地球をきれいにする会」の尾澤さんは、幼い頃から海を身近に感じ、遊び場にしていました。「沼津の海岸ってどこも眺めが素敵でしょう?そこにごみが多いのはとても残念です。水がきれいな沼津の海は、海岸もきれいでありたいですね」と尾澤さんは話します。
河口や海岸には、上流から多くのごみが流れ着いてしまうのは事実。4年前、少しでもきれいな海岸にしたいと一人でごみを拾い始めたところ、その場で仲良くなったりSNSを通じて出会ったりした仲間たちが増え、「地球をきれいにする会」としての活動は200回を超えました。
尾澤さんは、一緒に地引網をしたり釣りをしたり、子供たちに海の楽しさを伝える活動も大切なことだと考えていて「海の魅力を感じてもらえたら、海をきれいにしたいという意識が芽生えるんじゃないかな」と言います。そして「砂浜を歩くと運動になるし、ごみを拾う足元と遠景とを眺めるから目にもいいですよ」と笑顔で話してくれました。
■一つ一つの活動を大きな力に
「大好きな沼津をきれいにしたいからごみ拾い活動に参加したいって、SNSを通じて連絡をくれる人や企業がけっこういるんですよ」と話してくれたのは「沼津を世界一綺麗にする会」の笹原さんです。会では市内の海岸や河口、市街地などで行う清掃活動の情報をSNSで発信しています。
他のボランティア団体と清掃活動が重なることがあり、「団体同士でも情報交換や連携ができたらいい」と考えていたと笹原さんは言います。
そういった声を受け、1月にボランティア団体によるネットワーク「沼津市海岸清掃ボランティア連絡会」が立ち上がりました。団体各々の活動日や場所などの情報を発信したり一斉活動日を決めたり、展開が生まれています。参加してみようかなと思ったら情報を検索してみてください。ちょっとの参加も大歓迎です。
■沼津市海岸清掃ボランティア連絡会情報発信中!
市内で活動する海岸清掃ボランティア団体の詳細、活動日や場所などを知ることができます。
※詳細は、市ホームページをご覧ください。
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問合せ:水産海浜課
【電話】055-934-4753