くらし 市長メッセージ〈199〉

■まち歩きガイド養成講座
熱海市長 齊藤 栄
先日、「令和7年度熱海まち歩きガイド養成講座」の閉講式で21名の方に修了証書をお渡ししました。この講座は今年で18年目となり、修了生は延べ331名となりました。
「まち歩きガイド養成講座」には特別な思い入れがあります。19年前の私が市長就任当時、熱海の観光は低迷。熱海は宿泊が目的の観光地で、まち歩きで熱海の魅力を体験するという発想はあまりありませんでした。自分は「歩いて楽しい観光地づくり」を掲げていましたが、「坂道だらけの熱海をどう歩くというのだ」との声もありました。新たな観光施策を模索していたさなか、出張先の長崎で「長崎さるく」(さるく:ぶらぶら歩くの意味)の市民ボランティアガイドによる観光案内に強く感銘を受けました。「これだ!これを同じ坂のまち熱海でもやってみよう」とスタートさせたのが、この養成講座です。
今年度の4カ月の養成講座期間では、熱海の文化・歴史、温泉、伊豆半島ジオパーク、ユニバーサルマナーなどを学ぶとともに、実際のまち歩きガイドも体験します。また、受講者のバックグラウンドは本当に多彩です。熱海で生まれ育った方に加え、熱海に移住され、この土地のことをもっとよく知りたいとの動機の方も多いです。
今は、スマートフォンで簡単に観光情報が手に入りますが、地元の方による観光案内はとても心に響きます。この養成講座の修了生が、熱海観光のさらなる活性化に力を貸していただけることを期待しています。