くらし ふじえだの人 #7

■生き物と共存する農家
山口農園 代表 山口文隆さん

◇豊かさを食べて学んで
平島に広がる米の圃場(ほじょう)。豊かに実った稲穂は山口さんが育てたもの。
有機農業を行う圃場には、小さな生き物たちの生命の営みがありました。
環境に配慮し、多様な生物と共存しながら行う農業こそが、自然環境を保全し、未来の子どもたちの豊かな生活を守ることにつながる―。その考えから、山口さんは有機で農業を行うことを決断しました。
完成された食事がすぐに提供される現代。だからこそ、「食べ物がどのように出来て、食卓に届くかを知ってほしい」と山口さんは話します。
それは作物の生育だけでなく、周囲に生きる小さな生き物と、それを食べる大きな生き物、そしてその連鎖の頂点に立つ人間が織りなす「食物連鎖」や、小さな種が大きな穂となる「種の物語」を子どもたちが学ぶこと。そこには、食べ物を始め、あらゆるものの背景にあるストーリーをイメージし、多様な生き方を理解できる人に育ってほしいという山口さんの願いが込められています。
「すべては種まきから始まる」と話す山口さん。
秋空の下で収穫された有機米を使用した給食は、12月1日(月)から市立の全小中学校で計7食配膳されます。