文化 ふくろい 懐かしの風景(vol.33)

■「内藤打刃物(うちはもの)」(山梨)
県道袋井春野線を北上すると「下山梨上」信号の先に左手に入る路地があります。昭和58年(1983年)頃、その奥に内藤恭次郎さんの営む「内藤打刃物」という鍛冶屋がありました。
薄暗い工場の中では、内藤さんがベルトハンマーを使って鍛冶仕事を行い、奥様が製品の仕上げを担当していました。その仕事内容はまさに、唱歌『村の鍛冶屋』にある歌詞「しばしも休まず 槌(つち)打つ響き とびちる火花よ 走る湯玉…(略)」のとおりでした。
遠州地方の鍛冶屋は、その地域の産業によって得意とする製品が異なりました。旧佐久間町・旧天竜市の鍛冶屋は林業用の巨大なノコギリが、磐田市・旧福田町の鍛冶屋は田畑で使う鍬(くわ)、鋤(すき)、鋤簾(じょれん)などが主力でした。内藤さんは、市内・森町の農家の人が茶畑で使う刈り込みはさみや、旧浜北市の造園業の人が使う樹木の剪定(せんてい)ばさみが主力の製品でした。はさみの切れ味が素晴らしいことから「遠州の青刃」と呼ばれ、わざわざ浜松市から買いに来る人もいたそうです。
お店は、平成2年(1990年)まで営業していました。

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