- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県下田市
- 広報紙名 : 広報しもだ 2025年4月号No.792
■「必要とされている子どもたち」
小中学生に尋ねた「将来は自分の街に帰ってきたいですか?」の調査で、高ポイントをあげた自治体がありました。教育長さんに「なぜこんなに高い数値が出るのでしょうか。」と尋ねると、「地元でのボランティア活動が多いからかなあ。」という答えが返ってきました。お子さんは各ご家庭でボランティア活動(お手伝い)をしているでしょうか。雨戸の開閉、新聞受け((郵便箱))から新聞を取ってくる、米を研ぐ、ご飯をよそう、配膳をする、食器を下げる、洗う、洗濯物をたたむ、買い物、玄関を掃く…。
お手伝いをすると家庭での役割を得られ、必要とされていることを実感し、現在よく言われる自己肯定感が育まれると言われます。同じように、育った地域で人のために働いたり活動したりすると、自分は人の役に立ち、地域に必要とされているという実感を得、自分や地域を大切にし、そこに自己肯定感が育まれるのです。
昨年度末、下田中学校での美術の授業で、生徒たちが市内の和菓子屋さんを講師に、樹脂粘土での和菓子作りを体験しました。後に商品化されたものを買い求めて召し上がった方もいらっしゃると思います。一昨年度にはその代表作品が教育関連の文部科学省月刊誌「初等中等教育資料」の表紙にも掲載されました。生徒が何より嬉しかったのは、自分たちが考案した和菓子のデザインが、店主の目にとまり、商品化され店頭で販売されたことでした。下田をイメージした自分の発案が店主に認められ、商品化されて市民に喜ばれました。さらに多くの人たちに召し上がっていただけたことで、授業や活動が価値付けられ、自信や誇りにもつながりました。
周りの人たちのために行動し、喜ばれ歓迎され、お手伝いで家族から必要とされ、多くの方々に認められて子どもたちは育っていくのですね。