子育て 《特集》地域に愛された向田小学校が閉校
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- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県裾野市
- 広報紙名 : 広報すその 令和7年5月号
■36年間で1,658人の卒業生が向田小を巣立つ
3月24日(月)、向田小学校で閉校式が行われ、36年の歴史に幕を下ろしました。地域に愛された向田小学校の閉校式には500人を超える人が参加し、閉校を惜しみました。卒業生1,658人が巣立った向田小学校の歴史を振り返ります。
◆地域の想いを受けて開校
昭和58年度の東小の児童数は1,647人。グラウンドに児童が並びきれないほどの大規模校だった東小の子どもたちを受け入れるため、平成元年に向田小が開校しました。
向田小の名前は、地名を生かした学校名にしたいという意見から、小字名の「向田」になりました。校章は、大字の茶畑をイメージし茶の花で形づくられています。
向田小の校舎は、木材を使ったモダンな学校にしてほしいという地域の願いを受けて建てられました。写真は平成元年のオープンスペースを使った読書会の様子で、子どもたちが広々とした空間で学んでいる様子が伺えます。
稲作と餅つきは、開校当時から続けられてきた行事です。土に触れる体験学習をしたいという想いから始まり、向田小の伝統行事になりました。
◆閉校に向けて
令和5年10月に閉校事業実行委員会が立ち上がり、閉校に向けた取り組みが行われました。
○運動会・向田祭(5月29日(水))
最後の運動会は、地域の人や中学生や高校生も参加して開催しました。運動会の後には向田祭を開催し、地域みんなで学校を盛り上げました。
○バルーンリリース(7月18日(木))
閉校する向田小の子どもたちを応援してほしいという思いを込め、手紙を付けたバルーンを飛ばしました。
○ランニングフェスティバル(11月30(土))
最後のマラソン大会は地区の人と一緒に走る駅伝方式で開催しました。14区間を子どもたちや地域の人、保護者混合の6チームで走りました。
○トークフォークダンス(3回実施)
子どもたちと地域の人が一緒に話をする場としてトークフォークダンスを開催しました。
○閉校式(3月24日(月))
地域の人に愛された向田小の最後の日。閉校式後は学校を開放し、向田小で過ごした日々を懐かしむ卒業生の姿が多く見られました。
◇向田小学校の沿革
平成元年4月 向田小学校開校
6月 5年生の田植えが始まる
平成2年2月 校歌制定(故金子詔一氏)
8月 PTA作業により向田山完成
平成5年11月 児童会旗完成
平成6年8月 生活課実習池「虹の池」完成
平成10年11月 創立10周年記念式典
平成11年4月 パソコン室設置
平成13年11月 放課後児童室を開室
平成20年3月 創立20周年記念音楽鑑賞会
平成30年10月 創立30周年記念セレモニー
令和2年4月 新型コロナ感染症拡大防止のため臨時休校
令和5年10月 第1回閉校事業実行委員会
令和7年3月 向田小閉校式
◇地域あっての向田小
向田小学校 松本律子校長
向田小学校は平成元年に開校し、36年の歴史を経て閉校となりました。しかし、「36年前に戻るだけ」ではないのです。学校は、地域があっての学校なのです。そしてどの学校にも文化があり、地域の特色も児童の特色もあります。それを大事にしてこその学校なのです。
地域の向田小を愛する気持ちは、痛いほど理解できました。いかにして、地域を巻き込み、理解者と支援者を増やし前を向いて歩いていけるかが鍵となります。
子どもたちの思いを前面に出し、地域の人と一緒になって閉校行事に取り組みました。みんなで創り上げる楽しさや築かれた絆は、向田小学区の宝となりました。だからこそ子どもたちは、シン東小を支えようと前向きな気持ちで新たな世界へ飛び込んでいきました。その陰には、いつでも見守ってくれる地域があるからなのです。
向田小学校に関わり、支えてくださった全ての人々に感謝を申し上げると共に、これからも子どもたちに力強いご支援をいただけますよう、お願い申し上げます。そして、大人になっても地域を大切にできる人を育ててください。