- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県西尾市
- 広報紙名 : 広報にしお 2026年2月号
■和太鼓奏者 山田純平さん
名古屋市出身。市シティプロモーション特命大使(にしお観光文化特命大使)。和楽総合芸術集団「山田純平×熱響打楽」を主宰し、各地で演奏活動を展開。地域で和太鼓教室を開催するほか市制記念事業「千人太鼓」などをプロデュースし、和太鼓文化を通じて市の観光PRに貢献している。

◆和太鼓を通じて、たくさんの人と出会えることが喜び
幻想的な照明のなか、威勢のいい掛け声ともに力強い和太鼓の音が響くホール。迫力とともにびりと届く振動を感じると、体の芯から生きる力が湧いてくるようです。そんな熱気あふれる舞台の中心で、真剣な表情と華麗なばちさばきを見せるのは、和太鼓奏者の山田純平さん(米野町)です。
▽和太鼓とともに
幼い頃から和楽器に親しんでいた山田さん。「特に和太鼓が好きで、祭りで太鼓の音が聞こえると、そちらへ釣られて行ってしまうような子どもでした」と笑います。高校時代は、和太鼓の全国大会常連校に通うため、2時間かけて通学。大学でも全国コンテストに出場するなど、和太鼓に没頭する青春時代を過ごします。プロの和太鼓集団に入団後は、海外公演や多彩な楽器との共演を数多く経験。「第一線を走る師匠や先輩方の背中を、ただただ必死に追いかけてプロとしての覚悟や土台を築く期間でした」と活動を振り返ります。
▽和太鼓が響くまちに
独立を機に、妻の故郷である西尾市を訪れた山田さん。自然豊かでのどかな環境を目にし「ここなら演奏に集中できる」と拠点を移動。縁あって移り住むからには、面白いまちにしたいとの思いから『日本一の和太鼓が響くまちに』をテーマに活動を開始します。その一つが、千人が息を合わせて演奏する『千人太鼓』の開催。「人が集まるわけがないという声もありました」と山田さん。それでも実現に奔走し、これまで市制60周年から5年おきに3回実施。回を重ねるごとに盛り上がりを見せ「4世代で参加する家族もいるんですよ」とにこやかに語ります。
和太鼓を通じたつながりは、小・中学校や企業などへも広がっています。「太鼓を教えた子どもたちが、いろいろな場所で一生懸命に演奏し、その姿を見た地域の人が、新たな協力者として関わってくれています」と山田さん。
なかでも、三和小学校の和太鼓の練習では、和太鼓の代わりにタイヤを使用している様子が新聞に掲載されたのをきっかけに、「子どもたちを応援したい」と、地域の人から和太鼓の寄付が短期間で数多く寄せられました。「子どものために、という温かい思いを持った人が大勢いることに心を打たれました」と山田さんは話します。

三和小学校みつわ太鼓の皆さんに指導する山田さん。体育館に和太鼓の振動と子どもたちの笑顔が広がる。
▽人との縁を大切に
人との縁を大切にしている山田さん。コロナ禍で公演がすべて中止となり、活動ができなくなった時には、地域の人が支援してくれたり、街中で励ましてくれたりしたといいます。「地域のけ入もら、かくえとは忘れられません」と振り返ります。
「一つの曲に心を合わせたり、まちを盛り上げようと団結したり――。和太鼓を通じて、たくさんの人と出会えることが喜びです」と山田さんは確かな口調で語ります。
▽和太鼓にふれるきっかけを
今後は、さらに活動を盛り上げるため、和太鼓に興味を持つきっかけ作りを続けていきたいと話す山田さん。「和太鼓は、ばちを振り下ろせば音が鳴り、障害や年齢に関係なく誰でも楽しむことができます。子どもたちに、誰にでも輝ける場所があるんだよ、ということを伝えていきたいです」と活動への思いを込めます。
「和太鼓の縁で人がつながり、一人ではできないことが大きな形になっていく。和太鼓には人と人とを結ぶ強い力があります」。日本一の和太鼓が響くまちの実現に向け、山田さんの情熱あふれる挑戦はこれからも続きます。

市制70周年に合わせ開催された千人太鼓の様子。熱気あふれる会場に、心を一つにした和太鼓の音が響き渡った。
