- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県小牧市
- 広報紙名 : 広報こまき 令和7年11月号
■肥満の最新の医療について
糖尿病・内分泌内科 部長医師:落合啓史
◇人類の歴史は飢餓との戦い
人類の20万年の歴史は飢餓との戦いでした。
7万年前の気候変動により、世界の人口は1万人に減少したとされ、遺伝的に効率よく栄養を蓄えられるものが子孫を残しました。
しかし、現代では、この能力が肥満に伴う病気をきたす要因となっています。
◇肥満はドミノ倒しのように病気を起こします
肥満により生活習慣病(糖尿病や高血圧症、脂質異常症、脂肪肝)が起こり、血管合併症(失明や透析、足壊疽、心筋梗塞、脳卒中、認知症など)や肝硬変、肝細胞癌が生じます。また、膝関節症や腰椎症の発症率も増加します。さらに、高度の肥満症は230の合併症の原因となります。
◇肥満の原因についての最新の知見
同じカロリーの食事を摂取しても、消化管での吸収率は一人一人で異なります。また、吸収された栄養素が脂肪などのエネルギーとして蓄えられる割合も個人で異なります。さらに、消費カロリーの70%を占める基礎代謝も個人でさまざまです。そのため、同じカロリーの食事をとり、同じ量の運動をしても、減量する方もいれば体重が増加する方もいます。
◇減量・代謝改善手術について
主に実施される術式は腹腔鏡を使用して胃を部分的に切除するものです。手術により胃の容量がバナナ一本分に減少し、グレリンというホルモン(切除された胃から分泌されます)の血中濃度が減少することで食欲が抑えられます。
◇手術の効果
減量に伴う生活習慣病や合併症、死亡のリスクの軽減についてのデータが蓄積されています。糖尿病では注射製剤を減らせる可能性があり、インスリン注射を中止した場合は年間約8万円の医療費の軽減が試算されます。当院で術後の経過をおえた29人(術前の平均の身長は161cm、体重は107kg)では、平均21kgの減量に成功しています。
入院での自己負担額は高額療養費制度を利用すると8万円程度となります。(注意:収入などで個人差があります)
◇手術を実施した患者さんの声 (注意:改善効果は個人差があります)
術後の経過に満足される方は多く、「ちょっとの食事の量で満腹になるので、食事がとれなくてストレスになることはないです。ストレス解消で食べることは減りました(40代女性)」「念願のダンス教室に通えるようになりました(40代女性)」と話す方もいます。
◇当院の手術の適応について
保険適応を満たし、食事・運動療法が実行でき、周術期のリスクが高くない方が適応となります。興味がある方は当院のホームページをぜひご確認ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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※二次元コードは本紙参照
問合先:市民病院
【電話】76-4131
