- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年6月号
■玖老勢の砂岩脈
鳳来西部地区を流れる海老川の河床を見ると、砂岩と泥岩からなる互層を鮮明に観察することができます。今から約1700万年前、奥三河に海が存在した時代に、海底に堆積した砂や泥が地層となったものです。「やまびこの丘」から下流約500メートル地点でこの地層を観察すると、砂泥互層を貫く砂岩脈(砂岩の岩脈)が見られます。
岩脈といえば、普通は岩の割れ目にマグマが侵入し固まってできるものです。奥三河地域で見られる岩脈も多くが流紋岩や安山岩といった火山岩類からなります。
砂岩脈は固結前の堆積した砂が、水を多く含み流動性を持つことで、上からの圧力を受け、地層の割れ目から噴き上がるように上昇してできます。その他に、岩の割れ目に上から砂が堆積してできる場合もあります。そして、海老川で見られる砂岩脈は、下から噴き上がってできたものと考えられます。砂が勢いよく噴き上がった時に、周囲の地層からひっかけてきたであろう角礫が砂岩脈中に含まれているためです。
問合せ:鳳来寺山自然科学博物館
【電話】35-1001