くらし 市民病院発 ほのか診察室 207話

■〝変わる〟地域医療~デジタルの力で安心を~
監修 市民病院 臨床工学課

◇時代の変化に合わせて医療環境も便利に
最近では「医療DX」や「デジタル化」という言葉を耳にすることが多くなっています。これは、国が医療や福祉の分野でもデジタル技術を積極的に使っていこうという政策を進めているからです。
新城市民病院でも、こうした時代の流れに合わせて、地域の皆さんにとって役立つ医療を目指しながら、さまざまな取り組みを進めています。デジタル化は今までの医療の形を大きく変えていて、実は私たちの生活にも知らないうちにたくさんの便利さや変化をもたらしています。新しい技術は、ただ導入するだけではなく、地域の皆さんのためにどう使うかがとても大切だと考えています。今は、こうした時代の変化に合わせて、安心して医療を受けられる環境づくりが求められています。

◇自宅療養のサポート
自宅で使用している医療機器の記録などを病院に送る「遠隔モニタリング」という仕組みが少しずつ広がっています。新城市民病院ではそのデータをチェックし、何か異常があればすぐに連絡できるので、自宅にいても安心して療養を続けることができます。また、人工呼吸器や在宅酸素などの在宅医療機器もネットワークで見守ることができ、トラブルがあっても早く気づいて対応できる体制ができています。

◇治療用アプリの導入
最近は、医師が処方する「治療用アプリ」にも注目が集まっています。たとえば、高血圧の治療をサポートするアプリでは、毎日の血圧や体重、薬を飲んだかどうかをスマートフォンで記録でき、生活習慣のアドバイスや薬の時間を知らせるリマインダーも届きます。
こうしたアプリは、国や専門機関で安全性や効果がしっかりと確かめられたものだけが使われているので、安心して利用できます。患者さん自身もアプリを使って健康管理に積極的に取り組めるようになり、医師や看護師もデータを参考にして、より細かくアドバイスできるようになっています。今後、治療用アプリも薬のように承認を受けて増えていくことが予想されます。不明な点はご相談ください。

◇デジタルの力で患者家族やスタッフの負担軽減へ
少子高齢化や医療スタッフの働き方改革など、社会全体で取り組まなければならない課題も増えています。高齢化が進むと、通院が難しくなる人や家族の支えが必要な人が増えていきます。こうした背景から、新城市民病院ではオンライン診療導入の検討や、1.Tを使った業務の効率化、地域の医療・福祉機関との連携など、いろいろな角度から取り組みを進めています。医療スタッフの負担を減らし、より多くの人に質の高い医療を届けるためにも、デジタル技術は今後さらに大切になっていきます。
このように、「人の力」と「デジタルの力」をうまく組み合わせて、地域の皆さんが安心して医療を受けられる環境をつくるために取り組んでいます。国でも医療のデジタル化を推進する政策が進んでいる今、私たちも新しい技術を使うだけでなく、地域の皆さんの声に耳を傾けて、温かく信頼される医療をスタッフ全員で目指していきます。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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