スポーツ 夢キラリ人

■夢は、日本記録更新!
両角公位(もろずみなおなり)さん
8月20日に行われた第52回全日本中学校陸上競技選手権大会(沖縄県・以下「全中」)走り幅跳びで、全国一となった両角公位さん(大府中3年)。6メートル90を跳び、今大会の県代表選手の中で唯一となる金メダルを獲得しました。
元々すばしっこく、幼稚園時代の徒競走では、カメラを構える父親のシャッターが間に合わなかったほど。のちに入会した市のスポーツクラブ「大府エニスポ」で、全力で走る楽しさに出会います。技術や結果ではなく、とにかく陸上を楽しむというクラブの方針の下、短距離走と幅跳びの才能をぐんぐん伸ばし、小学5年生で東海大会への切符をつかみます。しかし試合目前、コロナにより大会が急きょ中止に。練習を重ね、準備してきたものを出し切れないことが悔しくがっかりしたと話します。中学校では迷わず陸上部に入部し、エニスポ時代のコーチからも指導を受け、跳ぶ技術を極めていきます。
8月の全中の会場では「いつも通りの気持ちで追い風を待ち、しっかりと準備した結果を残せました」と話す両角さん。努力を重ねながらも改めて「しっかりと準備した」と言うのには訳があります。
2年生の時にも全中を目指していた両角さん。ところが、選抜大会の直前、腰を痛め3カ月以上にわたってドクターストップがかかったのです。出場の夢が破れ、小学生の時の悔しさとは別の感情が込み上げます。日々の生活で積み上げる体作りの大切さを実感し、回復後は並々ならぬ思いを持って、中学生最後の全中出場を目指します。けがをしない体を作るため、毎日入念に足をほぐし、栄養バランスの良い食事を取って、甘いものやファストフードを断つなど、アスリートとしての意識を新たにして大会に挑みました。そして、一番の応援団として温かく見守り続けてくれた家族と指導者の皆さんへの感謝の思いを翼にして、フィールドで最高の跳躍を見せました。
高校進学後も競技を続け「1年生でインターハイ出場、3年生で優勝、そして日本記録を更新します」と具体的な将来像を語る両角さん。追い風を待つまなざしには、静かな炎が宿っています。