くらし 市長の一言 No.77

■『被爆クスノキ二世』
8月9日、長崎で行われた原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席しました。式典では、地元の小学生による児童合唱『クスノキ』が披露され、「我が魂はこの土に根差し決して朽ちずに決して倒れずに」という歌詞から始まるその曲とこどもたちの澄んだ歌声が心に深く響きました。この曲は、1945年8月9日に長崎に原子爆弾が投下された出来事をもとに作られています。爆心地近くの山王神社には、2本の大きなクスノキがあります。原爆により幹には亀裂が入り、枝葉は吹き飛ばされましたが、約2カ月後には再び芽を出し、今も力強く生きて、被爆の記憶を伝える生き証人として、多くの人に希望と勇気を与えています。広島にも、被爆を乗り越えて芽吹いた「被爆アオギリ」があり、クスノキと共に全国各地でその二世の木が平和の象徴として育てられています。
大府市は、2016年に平和都市宣言を行い、翌年から市役所や学校に「被爆アオギリ二世」の苗木を植えてきました。2024年3月には、市民球場の改修を記念して、地元の少年野球団と共に「被爆クスノキ二世」の苗木を初めて植樹しました。今年度は戦後80年の節目に当たり、市役所前の市民健康広場に整備中の「平和の丘」にクスノキ二世を植える予定です。これからもアオギリ二世やクスノキ二世を、被爆と再生、そして平和の象徴として、市民やこどもたちと大切に育て、平和の大切さを未来に伝えていきたいと考えています。
大府市長 岡村秀人