- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県豊明市
- 広報紙名 : 広報とよあけ 令和8年1月1日号
年が明けて、これから「寒」に入ります。「寒い寒い。南国に行ってのんびりしたいね〜!」
「でも、仮に熱帯に行っても、帰国したときに寒くてシビれちゃうんじゃない?」
そうですね。正月休みに東南アジアに行って、戻られてから風邪をひいた経験のあるかたも多いでしょうね。「まぁ、熱帯は暑すぎだから、寒の脱出先としては沖縄旅行くらいが合ってるかもね。」おっと、沖縄ですか。そういえば、この時季沖縄に行くと桜の花が見られるってご存じですか?「えっ桜?そういえば、前に聞いたことがあるような?」ふふ、では今回は沖縄のサクラのお話にしましょう。
サクラは、バラ科サクラ属の総称で、このうち野生種11種が日本に原生していますが、これらとは別に、古くより沖縄諸島に生息しているカンヒザクラという種があります。カンヒザクラは台湾から中国南部の山地が原産で、これが古く石垣島に渡り、後に沖縄諸島に広がったと言われています。カンヒザクラは漢字で「寒緋桜」と表記されるように、寒の時季に、色の濃い花を咲かせます。沖縄本島の北部では毎年1月上旬から花が咲き始め、2月上旬にかけて沖縄南部、さらに南西の八重山諸島へと開花前線が移動していきます。
「うん?なんか桜前線の動きが逆じゃない?」そうなんです。サクラが花を咲かせるためには、休眠打破といって、ある程度の時間、花芽が低温にさらされることが必要です。カンヒザクラの場合は、平均気温19℃以下で一定期間を過ごすことが必要なようで、この条件をクリアするのは北方の標高の高い所ほど早くなります。もともと暖かい場所なので、休眠が終わってしまえば、その後、時を待たず咲き始めるというわけです。ちなみにサクラの代表選手であるソメイヨシノの休眠打破は5℃前後なので、沖縄諸島で花を咲かせることはできません。
カンヒザクラとの交雑から生まれたサクラは、その性質を受け継ぎ、早咲きで、色の濃いものが多いです。代表的な品種にはヤマザクラとの交雑種のカンザクラ(寒桜)や、オオシマザクラとの交雑種であるカワヅザクラ(河津桜)とオオカンザクラ(大寒桜)でしょうか。これらは本州南岸では2月下旬から3月中旬にかけて開花のピークを迎えます。
さて、極寒のこの季節、沖縄方面に旅をされるかたは、是非ともカンヒザクラの名所も観光コースに加えていただき、どうぞ、そこでしか見られない景色をお楽しみいただければ幸いです。
執筆/愛知豊明花き流通協同組合 理事長 永田 晶彦
※写真は広報紙26ページをご覧ください。
