- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県武豊町
- 広報紙名 : 広報たけとよ 2025年5月号
醸造の郷として知られる武豊町には、住んでいても知らないことが多い六つの蔵元があります。そんな蔵元をめぐって、こだわりやおいしさの秘密についてお話を伺います。
【蔵 KURA 1】 中定商店(なかさだしょうてん)
◇創業からの変わらない製法を守り続ける
明治12年(1879年)創業の中定商店。今から約140年以上前から続く蔵元です。最盛期には200を超える木桶(きおけ)が蔵の中に並んでいたそうです。創業から変わらない製法で豆みそ、たまりを作り続けている6代目蔵元中川安憲(なかがわやすのり)さんにお話を伺いました。
一番のこだわりは、天然醸造。「自然に作ったものは美味しい。そのこだわりを大切にしたい」とのこと。
蔵の中には温度管理のための機械はありません。夏は暑く、冬は寒いと感じる温度の中、諸味(もろみ)(※)は木桶の中で熟成していきます。
※諸味…たまりを搾る前の味噌のような形状
◇工程で一番大変なことは…
一番大変なのは、桶から諸味を掘り出す作業。水分の少ないたまりの諸味はみそのような半固体。
2メートル以上高さのある桶にすっぽり入り、スコップですくっては自分の身長よりも高い位置に置かれた容器に移します。その量、なんと1つの桶につき5トン!そんな工程を経て出来上がった豆みそ、たまりはやっぱり力強いうま味がギュッと凝縮されています。一般的な味噌は風味が落ちるので煮込んではいけないと言われますが、武豊の豆みそは煮込んでも風味やうま味が落ちないのが特徴。豚汁や煮込んだ味噌おでんをつくるのにピッタリです。
中川さんの穏やかな笑顔で話す姿から、豆みそ・たまり造りの苦労話もこの仕事への愛情が感じられました。
「今回はこちらの蔵を紹介するよ!」
※詳しくは本紙37ページまたはPDF版をご覧ください。