- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県武豊町
- 広報紙名 : 広報たけとよ 2025年10月号
歴史民俗資料館の学芸員・田中が町にまつわる歴史や文化等を紹介するコーナーです。
■戦後80年 戦時下の回覧板
戦時中の日本では、国からの重要なお知らせが「回覧板」で各家庭に周知されていました。戦時中の回覧板を見ていると、「犬猫の供出」という文が目に留まりました。
戦時下では、不足する物資を補うために金属や宝石、ゴムといった資源が供出させられていきました。動物の毛や皮革も例外ではなく、牛や馬、羊、鯨などとともに犬の毛皮も利用されていたのです。資源としてだけではなく、狂犬病対策としても供出が行われました。
中型犬(2貫目約7キロ)を4円で買上げると記載されています。この頃の配給一覧から、大人用シャツが一枚1~2円で取引されています。家族の一員である動物を差し出すことはつらい選択だったでしょう。
一枚の回覧板には、当時の人々の生活が記録されています。今読んでいるこの広報も、後世には「昔の記録」として読まれる日が来るかもしれません。
問合せ:歴史民俗資料館
【電話】73-4100
