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- 自治体名 : 三重県
- 広報紙名 : 県政だより みえ 令和7年12月号
三重で地域の発展や課題解決に貢献している人・団体を紹介
鈴鹿市 労働者協同組合コモンウェーブ 代表理事 山浦 久美子(やまうら くみこ)さん
埼玉県出身。国内外での活動を経て鈴鹿市へ。さまざまな課題を持つ子どもたちを支援し、地域に新たなつながりを育む。
■子どもたちが希望を持てる未来を創りたい!
・どのような活動をしていますか?
私は鈴鹿市で「労働者協同組合コモンウェーブ」を立ち上げ、フリースクール「子どもの学び舎ワンダーYOU」や放課後等デイサービス、中高生などの子どもの居場所づくりや食料配布によるひとり親家庭支援に取り組んでいます。活動のきっかけは、息子が小学校低学年で不登校になったことです。この時に、学校に戻すことが目的ではなく子どもが生き生きと過ごせる場所をつくることが大切だと気づきました。そこで不登校の子を持つ保護者たちと、子どもたちが楽しめるボードゲームクラブを始めたのが出発点です。現在は、労働者自らが出資し、みんなが平等な立場で話し合って働く非営利法人の特定労働者協同組合として活動しています。私は新規事業の立ち上げや全体のマネジメントを行っています。困難に直面しても「ネバーギブアップ」の思いを胸に、スタッフがそれぞれの持ち味を発揮できるような職場づくりを心掛けています。
・活動で大切にしていることは?
子どもたち一人ひとりには、かけがえのない力があると信じて活動しています。成長スピードに違いはあっても、力はみんなにあると実感しています。例えば、暴言の多かった子が落ち着いて下の子の面倒をみるようになったり、ゲームばかりしていた子が勉強するようになったり。心が満たされたら子どもたちは成長していけると思うので、さまざまな居場所づくりに力を入れています。また、お互いの意見を尊重して話し合いで物事を進めることを大切に、運営スタッフはもちろん、子どもたちも話し合ってルール作りをしています。以前パソコンの利用をめぐる意見の対立があった時は、子どもたちで話し合い、新しいルールを作って解決していました。相手に歩み寄ろうとする姿がすごくうれしかったですね。
・今後の目標を教えてください
居場所事業を継続するためにも経営の安定化が課題です。そのため、安定した収益をめざして、今はキッチンカー事業にも力を入れています。キッチンカーは不登校、発達障がいなどの生きづらさを抱える中高生の就労体験の場としても活用しています。
・めざす未来の姿は?
私は、困っている人に「何か手伝えることはありますか?」と声をかけ合える社会を願っています。「大丈夫ですか?」では「大丈夫です」と返答してしまいがちで、真の困り事に気づきにくい。一人ひとりの思いやりの積み重ねが、みんなが生きやすい優しい未来につながると信じています。
居場所事業やイベント情報を発信しています。キッチンカーの出店依頼も受付中です!
