文化 歴史散歩〔225〕

■中野獅子舞の「獅子頭(ししがしら)」
令和7年3月19日、一身田中野の大乃己所(おおのこそ)神社に伝わる獅子頭と天狗面が、市の有形民俗文化財に指定されました。
この獅子頭は、約40年前までは、中野獅子舞(市指定無形民俗文化財)において用いられていたもので、3年に一度の奉納神事の日以外は獅子頭箱に収納し、神社で大切に保管されています。また、天狗面は、獅子をリードして舞う役割の「口取り」と呼ばれる子どもが顔に付けるものです。
獅子頭と天狗面には朱塗りの銘文があり、嘉永2(1849)年に漆が塗り直された際に記されたものと考えられます。また、獅子頭の舌の裏面には、塗り直される以前の明和元(1764)年の銘「奉再興 見初(みそめ)大明神 尓明和元甲申年十一月吉祥日」があり、獅子頭がこの時に見初大明神の御神体として作られたことが分かります。このように制作時期が分かる獅子頭は珍しく、市内では大里窪田町の石積(いしづみ)神社に伝わる獅子頭に続いて、二例目の指定となります。
また、文化財指定のための調査の中で、獅子頭について書かれた多数の古文書が確認されました。その中には、江戸時代に獅子頭の所有権をめぐった争いがあったことなどが詳しく記されています。獅子頭が保管されている獅子頭箱とともに、これらの関係文書29点も獅子頭等に付随するものとして指定され、市内の指定文化財は415件となりました。
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