健康 お答えします! 健康に関する素朴な疑問 健康なんでも相談室

市民の皆さんの健康などに関する素朴な質問に対し、谷崎医師が「総合診療科」の観点から、分かりやすくお答えします。ぜひ、皆さんの生活にお役立てください。

伊勢総合病院 内科・総合診療科副部長
谷崎 隆太郎 医師

質問:熱中症になった場合のおすすめの飲み物ってなんですか?
回答:ちょっと塩が入っていて、糖分が多すぎない冷たい水分がオススメです。

■熱中症の症状と対策
熱中症の症状は様々で、軽いめまいやだるさを自覚するだけのこともあれば、進行して足がつったり、倒れて意識を失ったりすることもあります。とはいえ、熱中症は基本的には段階的に進んでいくことが多いので、めまいやだるさといった初期症状のうちに適切な処置を行うことで重症化を防ぐことが非常に重要です。
熱中症の治療は主に水分補給と体を冷やすことの2点が重要です。よって、高温環境で気分が悪くなったらまずはクーラーの効いた室内などの涼しい環境に移動しましょう。また、体表面を濡らすと、その水分が蒸発する際に体温が下がりますので、それを期待して霧吹きなどで全身を濡らすことも効果的です。

■塩分と糖分のバランスが決め手!
熱中症治療で勧められる飲料は、少量の塩分を含んで、糖分が多すぎない冷たいものがオススメです。薬局などで販売されている経口補水液がそれに当たります。一方で、経口補水液を買わなくても、自宅で作ることもできます。

◇自宅で作る経口補水液レシピ
バナナ風味

※つぶしてよく混ぜる

オレンジ風味

この経口補水液はひどい下痢の時にも非常に有効ですので、熱中症だけでなく腸炎などで脱水になった場合にも活用できます。ただし、この経口補水液はあくまで脱水になった後の治療に用いられるものですので、脱水ではない人が予防的に摂取することは推奨されません。

■緑茶もNG?脱水悪化の飲み物
熱中症の治療・予防で避けた方がよい飲み物は、アルコールとカフェインが含まれるものです。いずれの物質も利尿作用があり、摂取することで脱水が悪化してしまうからです。意外に思われるかもしれませんが、緑茶500mLにはコーヒー1杯分程度のカフェインが含まれていますので、熱中症の予防・治療には不向きです。

■昔ながらの知恵が熱中症を防ぐ
昔から、夏になると「スイカに塩をかけて食べる」という習慣があるかと思いますが、実はあれは、水分・塩分・糖分のバランスが取れた、熱中症の治療に適した食べ方なのです。先人たちの生活の知恵は、あなどれませんね。(※スイカはその90%が水分で構成されています)

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