文化 第1回 文化財紹介コラム

■20年ぶりの大改訂!『松阪市の指定文化財案内』
平成18年3月に発行された本誌を、市制20周年記念として大改訂。前回から約60件増加した、松阪市内の指定・登録文化財277件全ての解説を掲載します。本コラムでは新たに収録する文化財の一部をご紹介します。

◆国宝　三重県宝塚一号墳出土埴輪
278点/古墳時代中期/令和6年8月27日指定
平成11年に行われた宝塚一号墳の発掘調査によって、主に船・囲・家など多数の形象埴輪が出土しました。なかでも埴輪船は全長140センチ、高さ94センチを測る大形の埴輪で、遺存状態も極めて良好です。準構造船を模したその造形は、他例に抜きん出て精巧で、船上に大刀、威杖、蓋などの別造りの威儀具を立てることも特徴的です。通常知ることが難しい古墳時代の大形船の具体的な姿をよく表し、葬送祭祀を考えるうえでも他に例がありません。また、埴輪囲・家は導水施設および湧水施設を模したものとみられ、古墳時代に行われた水に関わる祭祀を復元するうえで高い学術的価値があります。

問合せ：文化課
【電話】53-4393
【FAX】22-0003