くらし 【特集】くわなのウェルビーイング「ボランティア」未来につなげたい地域とのつながり(3)

■日常生活の困りごとを、住民主体で解決へ
ささえあい支援事業
▽住民主体で行う「ささえあい支援事業」とは
「近隣の病院へ通いたいけど公共交通機関があまりない」「スーパーへ買い物に行きたいけど免許を返納して車がない」「庭の雑草を刈りたいけど、体がつらい」など、高齢になると日常のちょっとしたことが困難に感じることがあります。「目の前でそんな風に困っている人を助けたい」と活動しているのが、ささえあい支援事業の各団体です。市内には現在10の団体が活動しており、ご近所同士で支え合っています。

▽およそ半年前に発足した「柚井生活支援の会」
多度町柚井地区で活動している「柚井生活支援の会」は、現・OB民生委員の4人と元自治会長の計5人で結成した会です。それぞれが地域の高齢者の話を聞いているうちに「病院までの交通手段がなく困っている」ということが分かり、なんとかしたいと立ち上がりました。ささえあい支援事業の団体として認定されれば、市から補助金が交付されます。利用者は利用者登録の後、200円券10枚を1セットとして購入し、支援内容に応じてガソリン代程度をチケットで支払います。利用者からは「チケット制になることで、気兼ねなく頼めるからありがたい」と感謝を伝えられることも多いそう。「今後は自治会とも連携し、活動を継続して困っている人を助けていきたい」と話してくれました。

《活動の流れ》
▽利用者登録の受付
柚井自治会員で70歳以上の人が対象。年会費1,000円を支払うと、チケット2枚がプレゼントされます。
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▽依頼受付
家事援助、通院や外出の送迎、買い物代行や付き添いなど、できることなら柔軟に対応。支援内容に応じて料金が変わります。
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▽支援
一番多い依頼は病院への送迎。依頼があると会の中で共有し、負担が偏らないようできるだけ順番に担当します。

《活動内容》
▽ゴミ出し
可燃ごみなどを指定場所まで持っていくことが大変な時に利用されることがあります。

▽買い物代行
近隣スーパーへの買い物に付き添うほか、買い物の代行も行います。宅配サービスもありますが、一人暮らしの場合は量が多くて無駄になることもあり、買い物に行きたい高齢者は多いそうです。

柚井生活支援の会
会長 伊藤肇(はじめ)さん
「初めは不安もあり活動の内容も少しずつ見直しながら進めてきました。運営費用面で苦しいところもありますが、地域の高齢者の人たちの感謝の笑顔が活動の励みになります。皆さんもぜひ各地区で支援団体の結成を検討してみてください。」