- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和8年2月10日号
■名張の歴史を探究する楽しさ
歴史というと、年号や人物名が並ぶ難しいもの、遠い過去の出来事という印象を持たれるかもしれません。しかし、名張の歴史は決して特別な場所にだけ残されているものではないんです。私たちが日々歩いている道、何気なく目にしている町並みや地名の中に、豊かな物語として息づいています。そのことに気づいたとき、歴史探究は一気に身近で楽しいものへと変わります。
例えば、「蔵持」という地名は、東大寺文書に残されており、治承4年(1180年)8月16日の「田地売買状」に簗瀬荘の字クラモチノ内マイロウを売却したことが書かれています。この土地を売却した人物が「小野姉子」という人で、詳しくは分かっていませんが、遣隋使として知られる「小野妹子」から続く、平安貴族の一族と考えられます。時代が違うので姉妹ではありませんが、妹子から続く、小野氏は、書家の道風や歌人の小町などを輩出した名家です。「妹子」という有名人の子孫に「姉子」が実在したことは、歴史を探究する中での発見でもあります。また、その人物が名張と関係が深いということを知ることによって「蔵持」という地名により愛着が持てるのではないでしょうか。
その他にも米国IT企業アップル社の創業者である故スティーブ・ジョブズは、10代の頃、友人の家で見た川瀬巴水の3枚の版画に心を奪われ、生涯、川瀬巴水の版画をコレクションしています。その3枚の版画のひとつが「赤目千手の滝」でした。ジョブズは、版画を通して赤目四十八滝に魅了されていたのです。
このようなエピソードは、誰かに話したくなるような発見でもあり、名張市が進める「語れるまちなばり」にもつながります。
※「名張市史だより」は、今号で終了します。これからも、広報紙の記事として名張の歴史をお伝えしていきます。
[編集発行]
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