文化 まちを愛し、まちを元気に ナバリスト17

前川佳子(まえがわ・けいこ)さん
箕曲コーラス「La.pesca(ラ・ペスカ)」
箕曲市民センターのサークル「La.pesca」の今年度部長。「La.pesca」とは、イタリア語で「桃」の意味。箕曲小の校歌の一節「桃のほほえむの園」にちなんで名付けた。小中学校で平和と命の尊さを歌で伝える他、保育園介護施設、地域の老人会などに出向き、歌で地域に元気を届けている。

■かけがえのない仲間と共に、平和の尊さを伝えていく
箕曲コーラス「La.pesca(ラ・ペスカ)」は、箕曲小学校のPTAコーラスとして平成8年に結成し、今は箕曲市民センターのサークルとして活動を続けています。私たちが平和の大切さを伝える活動を始めたのは、戦時中に蔵持小学校で銃撃を受けた「被弾ピアノ」との出会いがきっかけでした。
知り合いの音楽グループなどにも声をかけて開催した平成18年の「被弾ピアノコンサート」を皮切りに、平成22年からは市の委託を受けて市内中学校で「非核平和コンサート」を開催。依頼のあった中学校に赴き、朗読や映像、音楽を担う仲間と共に、名張にあった戦争と、平和の大切さを伝え続けています。
子どもたちからは、「名張に戦争があったなんて、初めて知った」という声がたくさん寄せられます。戦争を体験した世代が高齢化する中で、私たち戦争を知らない世代が語り継いでいくことが大切だと思うんです。「今あたりまえにある生活が、あたりまえではない」ことを、これからも伝えていきたいですね。
私たちが活動を続けてこられたのは、かけがえのない仲間のおかげ。歌を通じて、また、「被弾ピアノ」を通じて仲間がどんどん増えました。子どもたちが戦争や平和に少しでも関心を持てるように、これからも仲間たちと共に活動を続けていきます。コンサートを聞いた人も、平和を自分の次の世代につないでいくために活動してくれたら嬉しいですね。