- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和7年10月10日号
■より親しまれ、信頼される病院へ
市立病院は、10月1日、「地方独立行政法人」へ移行しました。迅速な意思決定と柔軟な組織体制のもと、病院職員の働きがいを高め、引き続き、基本理念である「市民の皆様に親しまれ信頼される病院」を目指します。
◇経営形態を地方独立行政法人へ
市立病院は、地域医療の中核的な役割を担ってきましたが、近年は医業収支が悪化傾向にあり、人口減少などで受診患者も減少。さらには、医師や看護師不足も課題となっています。
そんな中、「名張市立病院在り方検討委員会」からの答申などを踏まえ、10月1日、市立病院は、経営形態を「地方独立行政法人」に移行しました。「地方独経営形態を地方独立行政法人へ立行政法人」は、民間企業では実施が難しい公共的な事業を効率的、効果的に行うために、市が100%出資して設立する法人です。
もちろん、法人化後も、公立病院としての役割は変わりません。救急医療や小児医療、感染症対策、災害医療など、市民の命と健康を守るために必要な医療をしっかりと継続。市は法人の設立団体として、中期目標を定めるなど、今後も病院の経営に関わり続けます。
◇法人化で目指すこと
運営主体が市から法人に変わることで、代表者が市長から現場に近い理事長へ変わります。これにより、迅速な意思決定と柔軟な組織体制を生かした効率的な運営が可能となります。また、法人独自の就業規則や手当の導入なども検討し、職員の働きがいを高め、人材確保の強化につなげていきます。
すでに、現場で何が必要なのかを話し合い、できるところから取り組んでいこうとする「未来会議」や、病院の課題解決に向けた「病院改革委員会」も立法人化で目指すことち上がっていて、業務改善や組織強化につなげています。
こうした取組の先駆けとなっている事例が、アレルギーのある子も祭りを楽しめる「ザ☆なつまつり」や、若い世代に医療への関心を高めてもらう「なばりジュニアメディカルラリー」。いずれも、職員が発案し、連携し合いながら、使命とやりがいを持って取り組んでいます。
法人化後の中期計画第1期(10月〜令和10年度末)の最優先課題は、看護師の確保。200床中117床となっている病床稼働の回復を目指しながら、収支改善に向けた取組を推進し、経営基盤の強化を図ります。
■市立病院のあゆみ
・H9年4月 名張市立病院開院
・H16年4月 医師の臨床研修制度の改正により医師不足が深刻に
・H19年10月 内科で完全紹介外来制を開始
・H20年4月 伊賀地域3病院で救急輪番制開始
・H26年1月 小児救急医療センター開設
・R3年8月 市議会が「民間活力の積極的な導入」などを提言
・R4年1月 市立病院在り方検討委員会を設置
・R5年2月 在り方検討委員会から答申
・R6年1月 地方独立行政法人への移行を表明
・R7年10月 地方独立行政法人へ移行
◆病院職員の思いの詰まった手作りの夏祭りを
市立病院 管理栄養士 松本優子/小児科医師 小林穂高
イベント開催の発端は、職員間の意見交換会でした。「職種を超えて交流を深めたい」「みんなで楽しい企画を実現したい」という声があり、アレルギーを持つ子どものための夏祭りを開催することに。多職種間で協力し合って、企画・準備・イベント開催に取り組んでいます。
2回目となる今年は、メニューを増やし、エレクトーンなど職員の特技を生かした企画も実現。参加した親子から「アレルギーを気にせず思いきり楽しめた」と喜んでもらえました。法人化後は職員間の連携をさらに強めながら、イベントをパワーアップさせていきたいですね。
◆未来を担う世代に医療のやりがいと魅力を伝えたい
市立病院 救急救命士 西田勝太
医師、看護師、救急救命士がチームを組み、医療の緊急対応を競う「メディカルラリー」。市立病院と消防本部によるチームは、全国大会での優勝経験もあります。この競技で学んだことを地域で生かそうと、中高生による「なばりジュニアメディカルラリー」を始めました。
今年で4回目となりますが、参加者の中から医療職へ進もうとする人材も出てきてくれているので、うれしいですね。法人化後も、市立病院や消防本部の職員、大会運営に駆け付けてくれる市内外の医療従事者などと力を合わせて、医療のやりがいと魅力を伝えていきたいです。
問合せ:市立病院 経営企画課
【電話】61-1100