- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県尾鷲市
- 広報紙名 : 広報おわせ 令和7年11月号
■ハマフエフキ
ハマフエフキは西太平洋海域に広く分布するフエフキダイ科の魚で、当地では口細(くちぼそ)と呼ばれ、主に定置網で漁獲されます。フエフキとは、笛を吹く時のように口がとがっていることにちなんだ呼び方であり、尾鷲での「口細」は同じ由来であると思われます。
小魚、エビ、カニ類、ゴカイ類、貝類をエサとし、1歳で体長約20cm、2歳で約30cm、3歳で約35cm、4歳、5歳、6歳でそれぞれ約40、45、50cmと成長し、大きいものでは約90cm、約8kgにもなるようです。夏の白身の高級魚として知られるメイチダイと近縁種(きんえんしゅ)であり、味が大変良い魚です。
温かい水温を好み、幼魚の温度耐性を調べた試験では、低温で14℃、高温で33℃なら生き残ったという結果があります。近年の水温上昇により、当地では水揚げが増えていると思われます。
和歌山県の沿岸においては、年に一度産卵のために集結し、神秘的な産卵行動を観察することができるようです。また、磯釣りで狙えるターゲットでもあり、その強烈な引きの魅力に取りつかれる釣り人は少なくありません。高知県沖ノ島ではフランスパンをエサにするユニークな釣り方もあります。沖縄県ではタマンと呼ばれ、釣りのターゲットとして人気が高いだけでなく、重要な水産資源であることから、人工種苗が生産され、放流、養殖が行われています。
