くらし 【特集】亀山茶を知る、味わう 伊勢の茶どころ あの唄どころ(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県亀山市
- 広報紙名 : 広報かめやま 2025年6月1日号
一番茶のおいしい季節。これから蒸し暑くなり、お茶を飲むことが多くなります。普段、私たちが当たり前のように飲んでいるお茶はどのように作られているのか、亀山茶のおいしい楽しみ方を知り、至福の一杯を味わってみませんか?
亀山市は、平均気温や年間降水量がお茶の栽培に適しており、茶の生産が盛んに行われています。亀山茶は、気候や土質、茶農家の優れた製茶技術に支えられ、上品で濃厚な味わいと香り、コクのあるうまみが特徴の良質のお茶です。主な生産拠点である中の山パイロットには、約88haの広大な茶畑が広がっています。
■亀山茶をつくる
◇亀山茶の魅力を伝える「亀山市茶業組合」
亀山市茶業組合は、市内の茶業者と茶業関係団体で構成された団体です。主な活動は、お茶まつりや初もみ研修会、インストラクターの方に協力いただいて、市内の学校向けにお茶の入れ方講座などを行っています。初もみ研修会では、亀山高校の生徒に手摘みの体験をしてもらっています。また、茶業組合として品評会への出品、定期的な情報共有、お互いの工場を見学するなど、さまざまな活動をしています。
しかし、ここ10年程、茶業組合に加入する茶農家はかなり減少しています。問屋の買取単価が大きく下がり、採算が合わず、原材料費の高騰、機械のメンテナンス費も高額であることなどが理由として挙げられます。ほかにも、担い手や後継者不足といった課題もありますが、近年は抹茶ブームなどの影響もあり、取引価格も安定してきています。
◇知識と技術を身につけ、最適な感覚をつかむ
お茶の製造で大変だと感じるのは、やはり作業に時間がかかるところです。基本的には機械で行いますが、機械が詰まったり、天気に左右されたりすることがあるので、全体的にうまく流れているのかを常にしっかり確認しなければなりません。葉っぱの大きさ、その日の気候や湿度などの影響で茶葉の状態も一定ではないので、工場に運ばれてきた茶葉によっては、全工程の設定を変更しなければならないときもあります。さらに、蒸し方や一連の知識や技術などを習得するには、長い年月と経験が必要です。乾き具合や温度、手触りなど最適な状態の感覚をつかむまでが難しいです。
お茶は、産地の地形や気候などで味が変わります。亀山では、深蒸し煎茶が主流です。亀山の地質は赤土で山砂が入り込んでいるので、茶葉がほかよりちょっと厚いのが特徴です。茶葉が厚いと深く蒸すことができるので、味が濃く、甘みがよく出ます。蒸す時間は各農家さんによって異なるので、味も違います。ペットボトルなどで全国各地のお茶が手軽に飲める時代ですが、地元だからこそ、地元で採れた亀山茶を多くの人に、特に若い人たちに飲んでほしいと思います。