くらし 『終活と人生会議』のすすめ

■人生会議とは
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という言葉を聞いたことはありますか?これは「もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みのこと」とされています。
最近では「人生会議」とも呼ばれ、同じような意味合いで「終活」もあります。人生会議や終活の目的は「より有意義で充実した人生を送るために、あなた自身がどうしたいか考えて周りの人に伝えるなど、早めに備えておくこと」です。

■どうやって備えるの?
私たちは、みんないつか何らかのかたちで人生の最期を迎えることになります。その時がいつ来るかは誰にもわかりません。また、事故や急な病気などで意識がなく、いざという時に自分で意思表示できず、家族など周りの人が判断を迫られる場合もあります。
普段から、あなたの思いや考えを周りの人たちと共有しておくと、いざという時に家族などがあなたの気持ちを考えて判断する時に役立つかもしれません。何かあった時、周りにできるだけ迷惑をかけたくないと考える人は多いものです。いずれ伝えようと思っていても、いつ・何が起こるかは予測できません。だからこそ、判断力・体力がある元気な今のうちから自分の考えをまとめて、意思を示しておくことが肝心です。

■誰と話し合うの?
あなたが信頼している人は誰でしょうか?家族はもちろん、医療・介護関係者など、2人以上集まれば話し合いは始まります。あなたが信頼できる人たちと話し合ってみましょう。

■具体的な内容は?
▽医療や介護について
・どこまで治療をするのか
・どのような介護サービスを受けたいのか
・施設入所のタイミング、あるいは最期まで自宅で過ごしたいなど
▽回復が難しい状態になった時、どのようなケアを受けたいか?
・どのような状態でも、できる処置はすべてしてほしい
・回復の見込みがなければ、延命治療はしたくない
・痛みや苦痛を取り除く処置はしてほしい◦何もせず、自然に最期を迎えたいなど

どれも、これが正解というものはなく、人によって答えはさまざまです。

■かかりつけ医を持つことが大切
病気がなくても健康診断などで定期的に医療機関を受診しておきましょう。そうすることで、体調面で心配なことがあった時に相談しやすくなります。
▽現在考えていること、悩んでいること、知りたいこと
・医療や介護以外のことでも、自分の想いや不安・疑問など、気になることを話してみましょう。
▽これまで歩んできた自分の歴史
・人生を振り返って、好きだったもの、楽しかったこと、大切にしてきたことなどを思い出してみましょう。やりたいことを思い出すきっかけになるかもしれません。
▽これから希望すること、知っておきたいこと
・やっておきたいこと、伝えておきたいことなど、これからのことについて話してみましょう。

■いつ始めるの?
終活に取り組み始めるのに早すぎるということはありません。決まった時期はありませんが、できれば元気なうちから話し合っていきましょう。
▽例えば
・毎年の誕生日
・季節行事(お正月やお盆など)で家族が集まる機会
・病気になり、これからの生活のことを考えるとき
・病院を退院するとき◦介護保険の申請をするとき
・施設入所するときなど
▽ほかにも
・身の回りの整理
・相続
・葬儀や墓じまいなど

これらの内容を書き留めておくためのツールの1つとして、エンディングノートがあります。
鳥羽市でもエンディングノートを用意しています。ノートと一緒に記入方法の用紙もお渡ししていますので、ご希望のかたは地域包括支援センター(【電話】25-1182)へ連絡してください。
また、とば出前とーくとして、エンディングノートの書き方についてお話しすることもできますので、相談してください。

■大切なのは
自分らしく生きるために、「もしもの時」をまだ先のことと考えず、家族などの信頼できる人達と普段から話し合っておくことです。話し合いの中で結論が出なくてもいいのです。一度だけでなく、何度も繰り返し話し合いましょう。そうして、お互いの意見を尊重して話し合う過程こそが大切なのです。

問合せ:在宅医療・介護連携部会(健康福祉課地域包括支援センター内)
【電話】25-1182