くらし 他人ごとではない巧妙な詐欺の手口

近年、全国的に高額な詐欺被害が相次いでいます。市内でも、今年の1月から9月までで3件発生しています。
従来の被害の多くは60歳代から80歳代でしたが、最近では20歳代から30歳代の被害も増加しています。
1本の電話や1つのメッセージから、年齢を問わず誰もが被害にあう可能性があります。詐欺被害は、みなさんの身近に忍び寄っています、決して他人ごとではありません。

■市内の詐欺被害状況(令和7年1月~9月)
発生件数:3件
被害総額:約720万円
※熊野警察署・紀宝警察署より

■詐欺にあわないための対策
▽電話による被害の対策
◎ニセ警察詐欺に注意
固定電話や携帯電話あてに、警察官を名乗り「あなたの口座が犯罪に使われている」などと様々な理由をつけて「資産を保護する」「口座を調査する」などと、口座に現金を振り込ませようとします。
警察がテレビ電話を使用することは一切ありません。
・SNSで連絡することはありません。
・警察手帳や逮捕状などの画像を送ることはありません。
・捜査目的などの名目で金銭を要求することはありません。
◎海外からの電話は取らない
電話を使用する手口の大半は海外からの電話です。固定電話には、国際電話の発着信を停止できる無料のサービスがあります。海外から電話がかかってくる、電話をかける予定のない人は利用をおすすめします。
また、携帯電話は通信会社の着信拒否サービスを利用してください。

▽SNSによる被害の対策
◎知らない人からのお金の話は「疑う」
「必ずもうかる」「2人の将来のため」など、SNSで出会った人にお金の話をされたら、詐欺の可能性が高いです。
◎安易にクリックしない
著名人の名前や写真を使った投資に関するSNS広告などを安易にクリックしないようにしてください。
また、SNSをきっかけにLINEやグループトークに誘導されることがあるため注意してください。

▽国際電話の発着信の停止
固定電話のみ国際電話の発着信を無料で停止することができます。
申込みを希望する人は、熊野警察署、紀宝警察署または最寄りの駐在所にご連絡ください。

▽自動通話録音警告機の貸出
自動通話録音警告機は、設置した段階で、入電があると自動で特殊詐欺に関する警告アナウンスを相手に行い、同時に録音するという機械です。
特殊詐欺の犯人は、すでに警戒されていることや録音されている可能性を非常に嫌う傾向にあります。警告アナウンスが流れたことにより電話を切るなど、詐欺を未然に防げるかもしれません。
貸し出しは無料ですが、台数に限りがありますので、貸し出しを希望する場合は、警察署または市役所にご相談ください。
熊野警察署【電話】0597-88-0110
紀宝警察署【電話】0735-33-0110
市民保険課生活安全係【電話】市役所内線133

▽#みんとめ
◎一人で判断せず相談を
詐欺かもしれないと不安を感じたときは、一人で判断せず、家族・友人・警察などに相談してください。
合言葉は「#みんとめ(みんなでとめよう)」で、詐欺から自分もみんなも守りましょう。
警察への相談先:
警察相談専用ダイヤル【電話】#9110
熊野警察署【電話】0597-88-0110
紀宝警察署【電話】0735-33-0110

■三重県熊野警察署生活安全刑事課長 森下裕介警部
熊野市内でも被害の件数、被害総額も増えています。
詐欺の手口は、日々進化していて、新たな手口を啓発しても次のものが出てきている状況です。このようになれば、疑うことや近づかないこと、誰かに相談することが重要になってくると考えています。犯人は、誰かに話し難がたい内容の誘導をしてきますが、まずは家族や友人など誰でもいいので相談してください。一人では詐欺の誘導から抜け出すことは難しいです。熊野市内であっても、警察に相談があり、被害を防いだ事例が20件以上もあります。
そして、被害にあっても隠したいと被害の報告をしていないものもあるのではないかと危惧(きぐ)しています。被害にあう前にご相談いただきたいのですが、被害にあったと思ったときにも、被害を増やさないために必ず警察にご相談ください。
警察では、国際電話を発着信拒否するサービスの紹介や自動通話録音警告機の無料貸し出しも行っていますので、お気軽にご相談ください。