くらし 【特集】AIさくらさん(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県菰野町
- 広報紙名 : 広報こもの 令和7年12月号
■役場に新たな仲間が登場
近年年、私たちの生活の中で徐々に身近な存在となりつつあるAI――。スマートフォンの音声アシスタントや写真の整理、通販のおすすめ表示などさまざまな場面でAIは活用されております。さらに、プログラミングの知識がない人でも、テキストを入力するだけで文章を作成したり、画像を生成したりできる生成AIの登場により、誰でも手軽にAIを活用できる時代が訪れています。
こうしたAIの広がりをうけて、町では『対話型AI・AIさくらさん』(以下、AIさくらさん)を導入します。今回登場するAIさくらさんは「アバター接客対応さくらさん」「AI電話対応さくらさん」「AIチャットボットさくらさん」の3種類で、「アバター接客対応さくらさん」は令和8年1月から、「AI電話対応さくらさん」「AIチャットボットさくらさん」は令和8年2月に導入する予定です。今回の特集では、新たに菰野町役場の仲間となるAIさくらさんについて詳しく紹介します。
《PROFILE》
本名:渋谷 さくら
ニックネーム:さくらさん
誕生日:4月5日
趣味:DIY、アイドル鑑賞
夢:AIの力で世の中を笑顔にする
■AI(人工知能)とは
AI(人工知能)とは、コンピューターが人間のように思考、判断、学習する仕組みです。今までのコンピューターがあらかじめ決められた計算しかできなかったことに対し、AIは大量のデータを学習し、そのデータに含まれているパターンや法則を見つけ出して予測や判断をすることができます。AIの技術は既に町でも取り入れており、例えばAIオンデマンド交通「のりあいタクシー」は、利用者のニーズに合わせて効率的に配車できるよう、AIを使って最適なルートを作成して運行しています。
▽地方自治体におけるAI・RPAの導入状況(総務省)

■生成AIを活用して業務効率化
近年、、Chat(チャット)GPTをはじめとする生成AIが注目を集めています。従来のAIがあらかじめ用意された答えを探すことを得意としていたのに対し、生成AIは新しい文章や画像などを創造・生成することができます。AIさくらさんは、既にシステムを導入している自治体で得たノウハウを学習している独自のAIエンジンをベースに最新の生成AI技術を採用しており、子育て、引っ越し、税金の手続きなど、役場が取り扱う幅広い業務に関する質問や疑問に対して瞬時に大量のデータの中から適切な情報を探し出し、自然で分かりやすい言葉で回答することができます。AIさくらさんが定型的な問い合わせ対応を担うことで、行政手続きの業務効率化が図られ、職員は、個別のご相談や、きめ細やかなサポートを必要とする住民の対応といった、人にしかできない、より専門的な業務に集中できるようになります。AIさくらさんは学習し、日々成長していきます。皆さんにとって、最も身近で頼れる存在となることを目指しますので、ぜひご利用ください。
《INTERVIEW》AIを役場と住民を繋ぐ『架け橋』に
地域活性化起業人
(同)DMM.com
菊地康宏(きくちやすひろ)さん
私は実際に業務でAIを使用することもありますが、AIだからこそ、人間の温かみが際立つようになると考えています。例えば、心に素晴らしいアイデアや熱い思いがあっても、それを表現するのに苦労することは少なくありません。そこでAIを上手に活用することで、表現力に自信がなかった人も自分の内側にある情熱を余すことなく発信できるようになります。AIはあくまで道具です。そこに『菰野魂』を吹き込むのは私たち人間です。AIが作ったベースに自身の経験や感情、独自の視点を織り交ぜ仕上げると、一人では出来なかった創造物が生まれます。AIは無機質な計算機ではなく、人間のクリエイティビティを拡張し、より多くの『想い』を住民の皆さんに届けるための、温かい架け橋になり得ると確信しています。菰野町におけるAIさくらさんの導入について、まずは住民の皆さんや職員の日々に役に立つ存在として身近に定着させられたらいいですね。その実績をもとに、将来的には窓口業務や観光案内など、より多くの方と接する場面へと活用の幅を広げていきたいです。町の誇る美しい景観の中に佇む一本の桜の木のように、AIが違和感なく溶け込み、地域社会との接点を増やしながら、まちの魅力向上と利便性確保の両立を目指す、そんな未来を夢見ています。
