- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県竜王町
- 広報紙名 : 広報りゅうおう 令和7年12月号
■無意識の偏見に気づく
だいぶ前のことになりますが、ある金融機関で預金を引き出した時のこと、その金融機関の男性職員さんから「そのお金は、お孫さんの入学祝にされるのですか?」と言われました。私は、あまりにも突然の言葉でしたのですぐに返答することができず、空返事で会釈をするだけでした。当時、子孫はいない状況でしたので、失礼なことを言われたと大変憤慨しました。当人は、家庭の状況も判らないまま何げなく気軽に話されたと思いますが、人に対する配慮や気くばりが必要ではないかと痛感しました。親しい人との対話であっても内容によっては立ち入って話をしても良いか、相手の立場に立ってよく考えて接する必要があると思います。
また、私たちは日頃使っている言葉が、明るく温かく人の心を和ませ、また意欲を促す言葉かどうかを考え、人と人とを心地よくつなぐ、そんな言葉を使いたいものです。
誰もが大事にされ暮らしやすい社会は、まずは心の中にある無意識の偏見に気づくことから始まるのではないでしょうか。自分の言動で傷ついている人がいないか、いやな思いをしている人はいないか、よく振り返ってみましょう。そういう自分に気づき始めたら、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。そんな日々の行いが、人権を尊重する社会の実現につながっていくのだと思います。
文:人権擁護委員
