- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京都市
- 広報紙名 : きょうと市民しんぶん(音声読上げサービス版) 令和7年5月1日号
発達障害の名称が社会に浸透しつつある今、発達障害の人たちが個々の能力を生かし、社会の中で自立していくためには、改めて障害に対する正しい理解と適切な対応が必要です。
ここでは、発達障害の特性とその対応方法を紹介します。
■発達障害には、主にこのような種類や特性があります
●発達障害とは?
発達障害とは、生まれつきの脳の働き方の違いによって生じる、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症、限局性学習症、学習障害などの障害をまとめた呼び方です。
▽自閉スペクトラム症(ASD)
特性:
・コミュニケーションや対人関係が苦手
・こだわりが強い など
▽注意欠如・多動症(ADHD)
特性:
・気が散りやすく、うっかりミスが多い
・じっとしていることが苦手
・考えるより先に行動してしまう など
▽限局性学習症(SLD)・学習障害(LD)
特性:知的な発達の遅れはないが、読み書き計算のどれかが極端に苦手 など
※同じような特性がみられる場合でも、必ずしも発達障害と診断されるものではありません。
発達障害は生まれつきの特性で、育て方や本人の努力不足によるものではありません。
匂いや音に敏感、あるいは気付きにくいなど、感覚の偏りがみられることもあります。
●得意なこと
・常識にとらわれないユニークな発想ができる
・関心のある事柄の知識の収集や記憶が得意
・慣れ親しんだいつもどおりのことが得意
・特定の分野には優れた集中力を発揮する
●苦手なこと
・常識や暗黙の了解が分からない
・相手の考えや気持ちが分からない
・自分の思いを表現することが苦手
・いつもと違うと混乱したり焦ってしまう
特性の現れ方は人それぞれなので、1つの特性が強みにも弱みにもつながることがあります。
得意なことと苦手なことの両方を理解しておくことが大事です。
■障害を正しく理解して誰もが暮らしやすい社会に
●特性と、本人の対処方法のポイント
▽例えば 特定の音が苦手で耳をふさいでしまう
感覚の過敏さがあり、子どもの泣き声や電子音、掃除機の音など特定の音が苦手な場合があります。
↓
対処方法:音が気になるときは、耳栓やノイズキャンセリング機能付きのヘッドホン・イヤホンなどで対策することができます。
▽例えば 混乱しやすくストレスがたまりやすい
急な予定の変更や対人関係など日常のさまざまなことに混乱しやすく、ストレスがたまりやすかったり、疲れやすかったりします。
↓
対処方法:事前にストレスになりそうなことに対する対策を立てたり、1人で落ち着ける場所を作りましょう。趣味の時間を過ごすことで生活の安定につながります。
●周りの人の接し方のポイント
メモやメールを利用するなど目で見て分かるような方法で伝えましょう
行動の目的や理由をあらかじめ伝えておきましょう
「明日会議があるから、11時までに資料を用意してください。」
日課や手順をできるだけ同じにして、先の見通しが立つようにしましょう
その方の特性に合わせた支援や対応をとることが大切です。
■お気軽にご相談ください! 市発達障害者支援センター
【電話】950-0378【FAX】950-0372
〒604-8845 中・壬生東高田町1-20 COCO(ここ)・てらす
開所日:平日9~17時
対象:市内在住の18歳以上で発達障害の診断がある方とその家族
※18歳未満の子どもの発達に関する悩みなどは、各区役所・支所(子どもはぐくみ室)や児童福祉センターにご相談ください
(一人ひとりの「得意」と「苦手」を探り、本人や家族、支援者に分かりやすく伝え、安定して生活できるように支援しています。)
●理解を深めるためにぜひご参加ください 大人の発達障害を学ぶ市民研修会
料金:無料
申込み:電話かFAXで、またはHPから、5月1日~開催日の1週間前に、同センター。先着順
▽基本編
日時:5月13日・9月17日10時、1月15日14時(約1時間半)
▽就労編
日時:7月15日・11月19日10時、2月19日14時(約1時間半)
そのほか、就労の支援など、生活の場面に合わせた相談先があります。詳しくはHPをご確認ください。
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問合せ:市発達障害者支援センター
【電話】950-0378【FAX】950-0372