くらし 放置山林の他人事化どう防ぐ?(1)

私たちが暮らすこのまちには、きれいな空気や水を生み出してくれる「山林」があります。また、この山林は根がしっかりと張っているので、土砂崩れなどの緊急時の際も、私たちの生活を支えてくれています。
しかし、近年では山林の手入れをする人が減り、管理放棄が進み、また周辺住民の多くも山林の管理を「他人事」と捉えてしまっています。
このまま山林が持つ力が弱まれば、私たちの日々の暮らしに災害や獣害による被害などのリスクが高まります。
この課題に対して、みんなが「自分事」として考え、里山を守ることが大切です。

■地域の共有財産だった山林
かつての山林は、人々が木の実などの食料や、まきや炭、落ち葉などの資材を得るために山に入っていました。
また、道を作るために伐採を行い、新たな資源を得るために植林を行うなど、地域全体で管理されていました。
山林と農地の間には、垣根や柵を張り巡らせ、人と動物の住まいの境界を明確化し、農業被害や集落への動物の侵入を防ごうとするなど、当時の人の手による工夫もみられています。
このように、農地も山林もすべてを地域で管理し、貴重な共有財産として、活用してきました。

■舞鶴市の竹林面積は府内最大
ガス・電気、化学肥料の普及により、生活様式が変化し、山林利用の必要性が薄れ、人が山に入る機会が激減しました。
その結果、放置された竹林が思い思いに伸び、生い茂った木の枝や葉が光を遮り、下草や新芽をシカなどが食べ、木々が育たない状態になりました。
そして、増殖力が強く、成長速度が早い竹の生育地は急速に拡大し、舞鶴市の竹林面積は約1,350ヘクタールで、現在、京都府内で最も広い面積となっています。

■管理を担う人の不在
急傾斜地の多い舞鶴市の山林は、高齢化が進むことにより作業に関わる人が減少しました。そのため、草木がせり出してこないようにする最低限の手入れも困難な状態となっています。
また、都市部への人の流出も重なり、山林の所有者が遠方に住み、自身の所有する山林の場所や状態すら把握していない人が増加しています。
その結果、地権者が分からず、地元が手入れを行いたくとも協力や同意が得られず、山林問題の「他人事」化が進んでいます。

■放置山林が引き起こすリスク!
◇災害リスクの増大
手入れされていない山林の樹木は根が十分に張れず、地盤が不安定になり、土砂災害が発生しやすくなります。また、強風や地震による倒木で、道路をふさいだり、建物を損壊させる危険性があります。

◇有害鳥獣被害の深刻化
多くの野生鳥獣は臆病なため、見晴らしの良い場所へ出るのを恐れます。山林の境界付近の草木を放置していると、そこが潜伏場所となり、農地や人家周辺へ出没する足がかりとなってしまいます。

◇近隣トラブルと景観問題
隣地に雑草や樹木が侵入し、日照を妨げるほか、土砂や倒木によって農地や宅地に被害を与える可能性があります。山林の所有者に法的責任が発生し「知らなかった」では、その責任を逃れることはできません。

担当:農林課