くらし 放置山林の他人事化どう防ぐ?(2)

■放置山林を「みんなの問題」へ!
◆地域の山林の手入れをサポート
「放置山林をどうにかしたい」と考えていても、個人で活動するには費用と労力がかかり、なかなか手が付けられないのが現状です。舞鶴市では、自治会などで取り組む里山の保全活動に対して、費用・技術面の両方から柔軟な支援を行う「山から地域を元気にする事業」を行っています。

◇柔軟な活用方法
・作業機械の購入費用はもちろん、人件費にも使えます
無償ボランティアではなく「ちょっとした仕事」として活動に参加してもらうことが可能になります。

・専門業者への委託費用としても活用できます
自分たちで対応が難しい急傾斜地や巨木などは、業者へ委託し、伐採や整備を行うことができます。

◇事業を活用することで期待される効果
・暮らしの安全機能の回復
有害鳥獣対策
放置された山林を整備し、見通しのよい緩衝帯を設けることで、イノシシやシカ、クマなどの有害鳥獣の隠れ場所や侵入経路を断つことができます。

山林の防災機能の向上
間伐や危険木の伐採を行うことで、暗かった林内に光が差し込み、林床植物や樹木が健全に成長し、根を強く張り、土砂崩れや倒木などの自然災害に対する山林の防災機能が向上します。

山火事リスクの低減
住宅地に近い山林を適切に管理することで、乾燥した低木や枯れ木の堆積が減り、山火事発生時の延焼リスクが低減します。

・地域コミュニティーの再生
事業をきっかけに地域住民が里山の整備、鳥獣対策など共通の目的を持って集まり、活動する「地域コミュニティー」の創設や強化が期待できます。また、山林の問題を「個人の問題」から「地域の問題」として認識し、一歩踏み出すきっかけにもなります。

私たちの安全と豊かな暮らしは、健全な山林に支えられています。
放置山林の問題を「自分事・地域の事」として捉え、地域で力を合わせて未来に豊かな山林をつなぎましょう。

◆事業を活用して、山林問題に取り組む地域団体にインタビュー!
◇池姫竹炭組合
井上 孝空 さん、波多野 将秀 さん、村上 栄優 さん
竹の需要が減ってきて、山に入る機会も少なくなる中、荒れ果てていく山を少しでも良くしたいと考え、24年前に組合を立ち上げました。今では地域の有志に加え、市外の人も一緒に活動を行っています。
現在は、伐採した竹から竹炭をつくり、水田に散布して米作りに活用したり、また床下の調湿剤などの商品も作ったりしています。
商品はふるさと納税の返礼品にも選ばれており、何度も購入してくれるファンも増えています。
厄介物だった竹を商品として活用することで、山は整備され、地域のことがPRできるなど、良い循環が生まれるといいなと思っています。
一方で、私たちも高齢となり、今後の活動をどうしていくかを考えています。
竹林整備などはこれからも続く課題だからこそ、みんなで知恵を出し合い、持続可能な解決策を考え、取り組むことが必要だと思います。

◇野村寺の地域環境を考える会 平野 光雄 さん
山際に建てられている家に、竹が屋根を覆い尽くすほどかぶさっている状況を見て、なんとかしなければと思い、仕事を退職した10年ほど前から、地元の仲間と共に竹の伐採作業を続けてきました。協力して建てた作業場で伐採した竹を、竹炭作りなどに活用しています。他にもイベントの竹灯籠や剣道の防具の素材として提供するなど、その利用方法の拡大を模索しています。
伐採した竹は長く重たいので、運搬には大変な労力がかかり、自分たちの手だけの活動に限界を感じています。そこで地元の若者に声をかけ、休日に参加してもらい、自分たちの身近に放置竹林の問題が迫っていることを伝えています。
成長が早い竹は、伐採してもすぐ次が生えてきます。伐採後の活用も含めて、継続的に取り組める体制を整備することが重要だと思っています。

担当:農林課