- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府亀岡市
- 広報紙名 : 広報かめおか 令和7年9月号(第050号)
市民の皆さんの健康に関して、今回は亀岡市立病院の副院長が、専門分野についてお話します。
亀岡市立病院 副院長
久保 恭臣(くぼ やすおみ)
■骨粗しょう症について
骨粗しょう症は骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。テレビや新聞広告などで「いつの間にか骨折」や「ドミノ骨折」などのキーワードで疾患への啓発がされています。
いつの間にか骨折とは、自覚症状がほとんどないまま骨折してしまう状態で、特に背骨(脊椎)に多く見られます。痛みが軽いため気づかず、身長の低下や背中の丸まりで発覚することもあります。
一方、ドミノ骨折は一度の骨折をきっかけに、次々と他の部位も骨折してしまう連鎖的な骨折です。骨粗しょう症により骨が弱くなっていると、転倒や軽い衝撃でも骨折しやすくなり、活動量の低下がさらなる骨の脆弱(ぜいじゃく)化を招きます。特に高齢者では、大腿骨や脊椎の骨折が寝たきりにつながるリスクが高く、早期の治療と予防が重要です。
予防には、骨密度検査の定期的な受診、カルシウム・ビタミンDの摂取、適度な運動、転倒防止の生活環境の整備が効果的です。骨折の連鎖を防ぐには、最初の骨折後すぐに治療を開始し、次の骨折を防止することが大切です。骨粗しょう症が進行している人には、骨密度を増やす効果の高い注射剤などの選択もあります。