- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年12月号(No.955)
◆#2 多文化共生イベント〔Interview 研究者の声〕
~多文化が「普通」の社会を目指して~
同志社女子大学現代社会学部現代こども学科 教授 岩坂泰子さん
自分の体力を考えて2年前からジムに通っています。身体を動かすと仕事のスイッチがオフになるので、良いリフレッシュになっています。
◇研究内容は
専門は、初等教育の中でも外国語教育ですが、同志社女子大学に来てからは、国際理解や多文化共生をテーマに研究の範囲を広げています。小学校では平成23年度より外国語活動が必修となり、学習指導要領で「原則英語」と定められましたが、今、日本では、中国語、ポルトガル語、フィリピノ語などを家庭言語とする児童が増えています。
それらの児童にとっては、日本語も英語も外国語です。現場の先生は、日本語と英語の能力に差がある多様なこどもの「外国語教育」に頭を悩ませており、その解決のために、具体的な教材開発を進めています。
◇研究のきっかけは
子育て経験や、初等教育を教える機会があり、こども期の成長発達のことを理解したいという思いが研究につながっています。こどもたちにとって、多言語・多文化であることが「普通」と感じられるようになること、そして、国際理解教育や多文化共生の視点からも、整合性が説明できるよう教育活動を提案していくことを目指しています。
◇研究で心掛けていることは
教育と研究を分けて考えないことです。また、余暇と仕事をあまり区別していません。日常生活の中で、常に教材作りや研究を行っており、仕事と趣味の線引きなく、ずっとスイッチが入っている状態です。ただ、自分のこどもに教材を試してもらうなど、楽しく取り組んでいます。
◇市民の皆さんにメッセージ
同志社女子大学が京田辺市に移転してから、40年近くになります。私たちは、地域に開かれた大学として、市民の皆さんと交流する活動を増やしていきたいです。地域や小学校、保育所、幼稚園などと連携して、たくさんの取り組みを進めていきたいです。
〔岩坂ゼミ生が三山木小学校で授業国際理解・多文化共生を伝える〕
・フィリピンやカンボジアのスラムでの学習ツアーを通して、私たちが抱いていた貧困のイメージが変化したことを、こどもたちに聞いてもらったよ。
・SDGsの学習の中で、着なくなった服を回収する企業からリサイクルの大切さを学んだよ。
■ほんの一端を切り取る 市と大学の協働ストーリー
市は、同志社以外の大学とも連携協定を結び、共にさまざまな分野で取り組みを進めています。昨年度は137件の事業が展開されました。
◇同志社大学(平成17年1月から連携)
・馬術部と普賢寺幼稚園児が交流
・市立3中学校の部活生に、野球・サッカー・ハンドボール・陸上を技術指導
~他にはこんな事業も~
・同志社クローバー祭
・京たなべ・同志社ヒューマンカレッジ
・京たなべ・同志社スポーツクラブ(KDSC)
・スポーツフェスティバル
◇同志社女子大学(平成17年1月から連携)
・音楽学科の学生が小学校で音楽の紹介
・地域を盛り上げる学生団体「同志社女子大学まちづくり委員会」
・こども学科の教授・学生が保育士と一緒に園庭に築山を造るプロジェクト
◇同志社国際中学校・高等学校(平成17年1月から連携)
・市長によるまちづくりについての講演
◇〔New〕摂南大学(令和7年11月10日に連携協定締結)
・大学・事業者・市民が連携してクラフトビールを開発・ビールまつりを開催
◇京都府立大学(令和4年3月から連携)
・市史編さん事業を調査
・綴喜古墳群の保存計画を市民と考えるワークショップ
・小学生に地域の歴史を現地で解説
問合せ先:市民参画課
【電話】64・1314
