くらし 《特集》京田辺市×同志社 ともに歩んだ20年(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年12月号(No.955)
市と同志社(大学・女子大学、国際中学校・高等学校)が連携協力に関する協定(包括協定)を締結して、今年で20周年を迎えます。
今号では、これまでの連携の歩みと連携事業の一端を紹介します。
■特別対談
〔京田辺市長 上村崇(53)〕
『連携を強化して一緒に難局を乗り越えたい』
平成31年に市長就任。現在2期目。
同志社大学法学部卒業・同大学院総合政策科学
研究科修士課程修了 趣味は読書
〔学校法人同志社総長・理事長 八田英二さん(76)〕
『学生と関わって成長を手助けして』
同志社大学名誉教授
趣味は芸術鑑賞
行政を担う「京田辺市」と、同志社大学、同志社女子大学、同志社国際中学校・高等学校を運営する「学校法人同志社」のトップ同士が、京田辺キャンパスで対談しました。連携をテーマに、現在・過去・未来という時間軸で語ってもらいました。
◇京田辺・同志社の今を語る
総長:市と連携協力に関する協定(包括協定)を締結するに伴い、地域と同志社をつなぐ窓口として、同志社大学に京田辺地域連携推進室を設けました。同志社では、学生が学内で学ぶだけでなく、地域の人々と関わることを重視しています。そして、地域が抱える課題に対して、大学の研究や教育資源を活用して、行政と一緒に解決に向けて取り組んでいます。
市長:「大学のあるまち」の魅力としては、大学教員や学生の皆さんの知識・技術をまちづくりに生かせることや、市民の皆さんが教員・学生と交流する機会に恵まれるなどたくさんあります。研究成果などが日常生活で実感できると、大学をより身近な存在として感じられるのではないでしょうか。
総長:市民の皆さんには、大学の資源を積極的に活用していただきたいです。連携事業への参加はもちろんですが、キャンパスも開放していますので、ぜひ一度、足を運んでみてください。
また、学生には、このまちを「第2のふるさと」と感じられるくらい地域と関係を深めることで、視野を広げるとともに、成長の糧にしてもらいたいです。
◇これまでを振り返って
市長:市と同志社は、協定締結以来、年間100件を超える連携事業を展開しています。中でも印象に残っている事業は、コロナ禍の影響で、帰国も外出もできない留学生に対して行った地元食材を販売するサービスです。大変好評で150件を超える申し込みがありました。地域と大学の結びつきによって課題が解決しただけでなく、留学生が本市に愛着を抱くきっかけとなったことを実感しました。
また、同志社大学・同志社女子大学が市内に立地してから若い世代の人口が増え、まちに活気とにぎわいが生まれました。
総長:20年間の長きに渡って地域に関わらせてもらったことで、まちにも良い影響を与えられる存在になれたのではないでしょうか。今後も、地域に密着した活動を展開していきたいです。
◇未来に向けて
総長:今年は、同志社創立150周年の節目の年でもあります。大学の記念事業として、京田辺キャンパスに新アリーナ棟・多目的コート棟からなるスポーツ交流拠点「スポーツ・コンプレックス」を整備しており、アリーナは来年春、多目的コートは再来年春の竣工を予定しています。地域の人々と連携・協働しながら産学官を推進し、地域活性化につながる拠点になればと考えています。
市長:子育て世帯を中心に転入増加が続く本市ですが、令和12年をピークに減少に転じると推計されています。そこで、人口減少というマイナス要因をプラスに変える発想が必要で、地域の課題解決に向けて、行政・大学・企業の協働の幅を広げるとともに、持続可能な連携を支える仕組みを構築したいです。まちづくりのパートナーである同志社との連携を一層強化することで、一緒に難局を乗り越えていければと考えています。
◇学生・市民へメッセージ
市長:学生時代は人間関係を広げ、深められる大切な時期です。キャンパスライフだけでなく、積極的に地域に出て人脈を広げ、さまざまな経験を積むことで、自己を高めてもらいたいです。その過程で、京田辺市を好きになってくれたらうれしいです。
総長:社会の一員としての責任感や共生力を学生が育くめるよう、市民の皆さんに手助けをお願いしたいです。連携事業などを通じて、どんどん学生と関わっていただけると幸いです。
対談場所となった同志社大学京田辺キャンパスにある京田辺会堂光館。館内に展示されている同キャンパス開校時のパネルの前で、対談後に互いにがっちり握手を交わし、さらなる関係の強化を誓い合いました。
〔大住中2年生が撮影体験〕
11月12日、職場体験学習で秘書広報課に来てくれた大住中学校2年生が写真撮影を体験しました。初めて扱う一眼レフのカメラを慎重に構えながら、学生が持つバルーンの角度を指示したり、笑顔を引き出す声掛けをしたりして、懸命に表紙デビューを目指しました。
〔連携の歴史はここから〕
平成17年、あらゆる分野で相互に協力し、地域社会の発展と人材育成などを図るため、市と同志社大学、同志社女子大学、同志社国際中学校・高等学校の4者は連携協力に関する協定を結びました。八田さんは同志社大学長(当時)として握手を交わしています。
場所:京田辺市役所
