- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京丹後市
- 広報紙名 : 広報京丹後 2025年10月号(第259号)
■歴史残る土地で、今を写す日本刀を打つ―
宮城朋幸(みやぎともゆき)さん
黒本知輝(くろもとともき)さん
山副公輔(やまぞえこうすけ)さん
〝日本刀〝。現代では、美術工芸品としてのみ作ることが許される、世界中の人を魅了する日本の伝統工芸品のひとつです。丹後町三宅にある(株)日本玄承社(にっぽんげんしょうしゃ)もそんな日本刀を作る鍛冶場のひとつ。刀を打つのは、大阪府出身の山副さんと黒本さん、東京都出身の宮城さんです。東京都葛飾区にある日本刀鍛錬道場で、日本を代表する刀鍛冶職人のひとり吉原義人(よしはらよしんど)氏への弟子入りをきっかけに出会った3人。約7年間の修行を経て、4年前に独立し、京丹後へ移住しました。
「私の父の実家がここにあったこともあり、3人で独立する際に京丹後が候補に上がりました。小さい頃から何度も遊びに来ていたのと、何より近所の皆さんが快く受け入れてくれたので、ここだと思い京丹後に決めました。移住して4年経った今でも変わらず気にかけてもらっています」と山副さんは話します。
京丹後市は、弥栄町にある遠處(えんじょ)遺跡製鉄工房跡からも分かるように、古来から製鉄技術が進んでいた土地。そんな歴史ある土地でつくる日本玄承社の日本刀。
「私たちが作るのは〝今を写す日本刀〝。地鉄(じがね)の美しさにこだわり、刀文(はもん)で現代を生きるお客様が求めるものや京丹後の自然を表現します。日本刀作りの文化を継承し、昔ながらの製法で作るのはもちろんですが、日本玄承社だからこそ、そして京丹後だからこそ作れる日本刀で現代を魅了することができればと思います」と3人は話してくれました。
※地鉄、刀文……刀身の表面に出る模様
※見学は事前予約が必要