文化 シリーズ「木津川市の文化財を巡る」第82回

■瓦製社殿(がせいしゃでん) 法泉寺(相楽)
十一面観音立像(重文)で知られる相楽・法泉寺の瓦製社殿です。社殿本体と屋根部分を分離して粘土で成形し、焼き上げて作られたもので、総高83cm、小型の神社建築です。社殿の正面には、かつては木の扉があったものとみられます。背面には、「文安三年八月日」とヘラで刻まれ、室町時代半ばである西暦1446年の製作であることが分かります。屋根は春日造で、唐破風(からはふ)をつけた型式をとり、棟の一部に瓦を葺いたような写実的表現をみせています。
境内から出土したといわれており、祭祀されていた状況は不明ですが、製作年代が判明する中世の瓦製社殿としては類例が少なく貴重な文化財であることから、令和6年に木津川市指定文化財となりました。

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