- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府木津川市
- 広報紙名 : 【京都府木津川市】広報きづがわ 2025年7月号
■木造地藏菩薩立像(もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう) 西光寺(加茂町美浪)
西光寺本堂内の本尊脇に安置されている像高1メートル弱の地蔵菩薩像です。一木造(いちぼくづくり)で内刳(うちぐり)を施さない構造や、頭部が大きく体部がやや短いプロポーション、肉身部の豊かな量感、太ももの隆起に伴う下半身のY字形衣文線などは、平安時代前期の仏像にみられる特徴です。一般的な地蔵菩薩像が執る錫杖(しゃくじょう)は持たず、右手は垂下して掌(たなごころ)を正面に向ける与願印(よがんいん)とするのも、古式な要素とされます。地蔵菩薩像は、平安時代前期・9世紀からの造立例が知られますが、初期の作例は個性的な像が多く、西光寺の像もその一例といえます。市内でも、木津・西教寺の坐像(市指定文化財)とともに地蔵菩薩像としては最古級に位置付けられます。像の主要部は造立当初の姿をよく残しており、地蔵信仰が盛んであったこの地域を代表する地蔵菩薩立像の古例として貴重な文化財であることから、令和7年3月に京都府暫定登録文化財となりました。
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