文化 港区今昔物語

■290万人以上が訪れた港区の博覧会「電気大博覧会」
大正15年(1926)、電気事業の振興と電気知識の普及を目的に、社団法人日本電気協会関西支部が主催して現在の港区田中、八幡屋で開催されたのが「電気大博覧会」です。本館では当時最先端の電気、機械、照明などが展示され、また新しいメディアとして注目を浴びていたラジオ放送は人気でした。大阪市電気局、阪神、南海、大軌(近鉄)の電車が紹介される交通館や、台湾朝鮮館や外国館、矢野サーカス、高さ100尺(約30m)を誇るシンボルタワーの水晶塔(夜はイルミネーションで来場者を魅了しました)などもありました。死んだ人間を科学力(電気と反射鏡)で蘇らせるという「人間製造館」という不思議な展示も記録されています。

監修:陸奥賢さん 観光家/コモンズ・デザイナー/社会実験者